煎茶道の古書や資料集、私がこれまで見聞きした情報をもとに、煎茶道具についてまとめました。
追加情報などがございましたら、随時お問い合わせからご連絡いただけると幸いです。
煎茶道具(せんちゃどうぐ)とは
煎茶道具(せんちゃどうぐ)とは、煎茶(せんちゃ)や玉露(ぎょくろ)をお点前で淹れる際に使用する器物(きぶつ)や器具類のことです。
道具には、形、土、釉薬(うわぐすり)、絵付け、産地、由来など、さまざまな要素があり、それらを多角的に鑑賞する楽しみがあります。鑑賞や観察力があってこそ、愛着(あいちゃく)や愛蔵(あいぞう)といった面白さが生まれます。お客様にしっかり説明できるよう、一覧にしてまとめております。
煎茶道具の名称や由来まとめ
煎茶道具の名称や振り仮名・読み方、使用用途などを下記にまとめました。
ご覧になるとわかるかと思いますが、難しい漢字や、読めても意味がよくわからない名前が多いです。
煎茶道は、江戸時代に文人趣味(ぶんじんしゅみ)と呼ばれる中国の文化に精通した方々によって大成されました。そのため、中国から輸入したものの名前や音、漢字をそのまま使用していることが多く、これが中国茶芸で使われる中国茶道具と名前が似ていることがある理由です。
煎茶道具の一覧
あいうえお順 | 名称 | 振り仮名 | 使われ方 |
---|---|---|---|
あ行 | 烏府 | うふ | お湯を沸かすための道具 |
あ行 | 炭斗 | たんとう | 炭を入れるための容器 |
か行 | 火斗 | かと | 炭を取り扱うための道具 |
か行 | 急須、宝瓶/泡瓶 | きゅうす、ほうひん | お茶を淹れるための道具 |
か行 | 急須台 | きゅうすだい | 急須を置くための台 |
か行 | 建水、茶こぼし | けんすい | 使用済みの湯を捨てるための器 |
か行 | 香合 | こうごう | 香を入れる小さな容器 |
か行 | 香炉 | こうろ | 香を焚くための道具 |
さ行 | 茶具褥 茶敷 | さぐじょく、ちゃぐじょく ちゃじき | 茶具の下に敷く布、手前座の上に敷く布 |
さ行 | 水注 仙盞瓶 | すいちゅう せんさんぴん | 水を注ぐための器 |
さ行 | 煎茶碗 | せんちゃわん | 煎茶を飲むための茶碗 |
さ行 | 仙媒、茶則、茶量 | せんばい、ちゃそく、ちゃりょう | 茶葉を計る道具 |
さ行 | 洗瓶 | せんびん | 茶碗などを洗うための瓶 |
た行 | 棚、綾瀬棚、四方棚、松風棚 | たな、あやせだな、しほうだな、しょうふうだな | 茶具を収納したり飾るための棚、 |
た行 | 茶心壺 | ちゃしんこ | 茶葉を保存する壺 |
た行 | 茶托 | ちゃたく | 茶碗を置くための台 |
た行 | 茶旗 | ちゃばた | 茶席の際に掲げる旗 |
た行 | 衝立 | ついたて | 風や視線を遮るための屏風 |
た行 | 手前盆 | てまえぼん | お茶を点てる際に使う盆 |
は行 | 泡瓶、宝瓶 | ほうひん | 煎茶を淹れるための広口の急須 |
は行 | 羽箒 | はぼうき | 茶席を清掃するための道具 |
は行 | 花屏風 | はなびょうぶ | 花を飾るための屏風 |
は行 | 柄杓 | ひしゃく | 水やお湯を汲むための道具 |
は行 | 火箸 | ひばし | 炭を扱うための箸 |
は行 | 瓶床、瓶敷 | びんしょう、びんしき | 瓶を置くための台 |
は行 | 帛紗、袱紗 | ふくさ | 茶器を清めるための布 |
は行 | ボーフラ | ぼーふら | 湯を注ぐ際に使う道具 |
ま行 | 廻し籠 | まわしかご | 茶器を運ぶための籠 |
ら行 | 涼炉 | りょうろ | 夏季に使用する風炉 |
ら行 | 炉扇 | ろせん | 炉をあおぐための扇 |
ら行 | 炉屏 | ろびょう | 炉の周りを囲む屏風 |
ご覧になるとわかるかと思いますが、難しい漢字や、読めても意味がよくわからない名前が多いです。
煎茶道は、江戸時代に文人趣味(ぶんじんしゅみ)と呼ばれる中国の文化に精通した方々によって大成されました。そのため、中国から輸入したものの名前や音、漢字をそのまま使用していることが多く、これが中国茶芸で使われる中国茶道具と名前が似ていることがある理由です。
煎茶道具の販売や販売店の紹介
煎茶道具の購入を検討されている方のために、販売や販売店を紹介するページもご用意しております。詳しくはこちらをご覧ください。
さらに詳しい情報やご質問がございましたら、ぜひお問い合わせください。
参考書籍:「煎茶全書 主婦の友社編」昭和49年 主婦の友社発刊