煎茶道具「提籃(ていらん)」とは?
煎茶道で使用する道具の一つである「提籃(ていらん)」は、本来茶道具一式を収納するかごです。しかし、その使い方は非常に多様で、ピクニックバスケット、裁縫箱、宝物入れなど、さまざまなシーンで楽しむことができます。提籃の他にも収納する道具として「茶籠(ちゃかご)」や「器局(ききょく)」といったものがあり、いずれも煎茶道具一式を収納し、持ち運ぶためのものです。提籃や茶籠は主に屋外で、器局は室内用として使われます。
野外に煎茶道具を持ち運ぶための「提籃」
提籃は、煎茶道具一式を屋外へ持ち運ぶための籠・つづらで、野外の茶席で使われます。この道具は中国から渡来したもので、竹や藤で編まれたものや木製のものがあります。売茶翁が愛用した提籃「泉石良友」は、風光明媚な場所で茶を喫し、興趣を楽しむために使用されたと伝えられています。
投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。