煎茶道具「涼炉」(りょうろ)

煎茶道具「涼炉」とは

煎茶道具「涼炉(りょうろ)」とは、お湯を温めるための役割をもつ移動式の炉(ろ)です。

別に冷炉(れいろ)とも呼ばれており、素焼きの焜炉(こんろ)のことです。

煎茶道具「涼炉」の歴史とは

日本に煎茶道を伝えた黄檗山萬福寺の開山である隠元禅師が、中国から煎茶道具一式を持参した際の涼炉の形が、今の涼炉の原型です。

涼という漢字には、快い冷たさを感ずる、涼しい、ものがなしい、すさまじい、という意味があります。炭をよく使うので汚れやすく、かつ素焼きでシンプルな見た目なので、この涼という漢字があてられたのでしょうか。

涼炉の特徴や種類とは?

煎茶道具「涼炉」は、爪と爪の間が低くなっているものを三峰炉(さんぽうろ)、爪がなく平らになっているものを炉(ろ)と一文字で呼びます。

煎茶道具「涼炉」の材質や形について

涼炉は、炉の中に炭の火をいれて湯を沸かすので、直接火があたってもいいように、陶土で成形して素焼きをしたものをそのまま使う、もしくは炭を置く内部の部分だけ素焼きのものがほとんどです。

いわゆる作家ものでは、表面に釉薬をコーティングして味をだしたり、絵付けをしているものがあります。お道具の中では特に大きい器物なので、センスが問われます。

高さや形などいろいろありますが、だいたいの寸法は、高さ24センチ前後、胴の太さ12センチぐらいが標準のものだと言われています。

特別に背の高いものや、低く作られているものもあります。

煎茶道具「涼炉」の画像はこちらです。

こちらは涼炉に、煎茶道具「ボーフラ」をのせて、湯を沸かそうとしているものです。

どちらもの素焼きで、熱の伝導が良く、お湯が沸きやすいです。

煎茶道具「涼炉」の動画はこちらです。

表面に釉薬がコーティングされた煎茶道具「涼炉」にかんする動画です。

動画で雰囲気や奥行きなどをご覧ください。

涼炉とは

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参考 煎茶全書 婦人の友社 昭和49年

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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