鳥取県の焼き物・陶磁器「民芸」とは|牛ノ戸窯と中井窯や有名窯元をご紹介
鳥取県の焼き物・陶磁器として有名な「民芸」を取り扱う窯元や美術館をまとめました。
本記事では鳥取県の焼き物・陶磁器である「民芸」の窯元ショップ情報や牛ノ戸窯や中井窯の違いなどをまとめています。
鳥取の民芸陶磁器は、素朴でごつごつしてて、でも愛くるしい、そんな焼き物です。
鳥取県の焼き物・陶磁器「民芸」とは
そもそも「民芸」という言葉は、「民衆的工芸」の略語で、一般の民衆が日々の生活に必要とする品」という意味です。
日常生活で使われるために生まれてきた器たちで、各地域によって、形や色、土もまったく異なるので、見てて飽きが来ません。鳥取県は、そんな民芸文化が根付いた言わば「民芸大国」。沢山の窯元があります。
鳥取県東部|因州・中井窯(いんしゅうなかいがま)
牛ノ戸焼(鳥取) 中井窯 酒器昭和20年、初代坂本俊郎が登り窯を築き、鳥取の民芸運動家・吉田璋也氏の指導によって、二代目坂本實男が新作民芸に取り組みました。現在は三代目坂本章が日々暮らしに役立つ健全な器づくりに励んでいます。
中井窯の器は、美しい発色で染め分けられた独特な色合いが、心を惹きつけます。 大胆でありながら、ぽってりと素朴な質感。温かみのある暮らしに包まれます。 中でも世界的工業デザイナー柳宗理氏とのコラボレーションであるモダンな掛け分け皿で注目を集めています。
鳥取県の民芸窯「因州・中井窯」の基本情報はこちらです。
因州・中井窯の詳細情報はこちらです。
- 名称:焼き物・陶磁器の香合
- 所在地:〒680-1224 鳥取県鳥取市河原町中井243−5
- 電話番号:0858-85-0239
鳥取県東部|牛ノ戸窯(うしのとがま)
牛ノ戸焼(うしのとやき)の起源は江戸末期になります。その後、四代目が活動していた昭和初期に衰退しかけますが、民藝家の吉田璋也の指導と四代目の努力で復活しました。
そして牛ノ戸焼の特徴は、緑と黒の釉薬で半々に色づけし、どんな時代にも受け入れられる伝統と新しさが織り交ざった、バランスのよい器です。いわゆる「バイカラー」という色合いで、有名なセレクトショップ”ビームス”のバイヤーもお気に入りで、以前は店頭でも販売されていたとか。
牛ノ戸窯の基本情報はこちらです。
- 所在地:〒680-1225 鳥取県鳥取市河原町牛戸185
- 問い合わせ先:0858-85-0655
牛ノ戸窯と中井窯の違い
中井窯と牛ノ戸窯は、染め分けの技法や器のデザインも似ています。
違いとしては、伝統的な器・焼き物を作るのが牛ノ戸窯、モダンな焼き物を作るのが中井窯という点だと思います。
中井窯の先代が、牛ノ戸窯で修行をし、そこで染め分けの技法を学んだと聞きました。
実際に行ってみると、価格が安価なのは中井窯で、コーヒーカップや器、マグカップなど現代的なものを作られていました。
鳥取県倉吉エリア|上神焼(かづわやき)
山陰鳥取発茶道具上神焼 辰砂釉茶碗初代音吉の京風のつくりに二代目三郎(不入)が地方色を加え、ロクロ味や釉薬に独特の芸風を継ぎ、三代目清(伯雅)が辰砂釉等の伝統を受け継ぐと共に、新しい手法で作品を創作しています。
上神焼の基本情報はこちらです。
- 所在地:〒682-0902倉吉市上神326-1
- 電話:0858-22-5705
鳥取県西部|法勝寺焼皆生窯(ほっしょうじかいけがま)
法勝寺焼皆生窯(ほっしょうじやきかいけがま)は、昭和36年に法勝寺焼松花窯(しょうかがま)二代目の安藤嘉章氏が鳥取県境港市(とっとりけんさかいみなとし)にある皆生温泉(かいけおんせん)の地に、松花窯の脇窯として登り窯を築いたのが始まりです。
そしてそこで、手法や焼成は松花窯と同じものですが、皆生の砂や日野川河口の砂鉄を粘土や釉薬の中に混ぜるなどの新しい技法を取り入れて製作されています。
法勝寺焼皆生窯(ほっしょうじかいけがま)の基本情報はこちらです。
- 所在地:鳥取県米子市皆生温泉2-19-52
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日:不定休
- 問い合わせ先:0859-66-2052
- アクセス:JR米子駅より車で20分、JR米子駅より日の丸・日交バス皆生温泉行きで17分 米子市観光センター前下車、徒歩8分
鳥取民藝美術館
鳥取民藝美術館は、柳宗悦(やなぎむねよし)が提唱する民藝運動(みんげいうんどう)に傾倒した、鳥取の医師・吉田璋也(よしだしょうや)がプロデュースした新作民藝や、コレクションした日本・朝鮮・中国・西欧の古い時代の民芸品を1階・2階に展示する美術館です。
そしてモルタル塗りに漆喰仕上げの土蔵造り風の外観から、手摺りやスイッチカバーなど内観の細部まで、民藝の精神が施されていて心憎い美しさはもう芸術です。国の有形文化財に登録されています。
鳥取民藝美術館の基本情報
- 住所:〒680-0831 鳥取県鳥取市栄町651
- 問い合わせ先:TEL 0857-26-2367 FAX 0857-26-2399
- 営業時間:10:00〜17:00
- 入館料:大人500円、大学生300円
- アクセス:JR鳥取駅から徒歩3分ほど
焼き物・陶磁器に興味を持ったら
鳥取県の民芸、かわいくて私もお気に入りです。
民芸独特の雰囲気があり、いま若い世代からの人気が高いそうです。
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投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。