大阪府堺市で茶道・煎茶道ゆかりのスポット
侘茶の祖・千利休が生まれ育った大阪府堺市にある茶道・煎茶道ゆかりのスポットをご紹介します。
今回は大阪第2の都市である堺市(さかいし)にある茶道・茶の湯がたのしめるスポットをご紹介します。
じつは大阪の堺といえば茶道の町なんです。
みなさんご存知でしたでしょうか。
古くから茶道の盛んな町で、和菓子文化や茶道具といった工芸品の技術も高く、名実ともに”茶の湯の町”といった感じです。
今回はそんな堺が、なぜ茶の湯が盛んになったのか、茶道を楽しむならここ!といったスポットを紹介する記事になります。
大阪府堺市と茶道の関係
大阪府堺市は、人口約84万人、大阪市の南隣に位置する政令指定都市です。
古代より大阪は港町として有名で、この堺は、瀬戸内海をとおって九州や外国から渡ってくる渡来船(とらいせん)との貿易で栄えた町でした。
茶道の祖といわれる千利休は、ここ堺市の商家「魚屋」(ととや)でうまれ、比較的裕福に育ちました。
17歳ごろから茶道をはじめ、堺市の南宗寺(なんしゅうじ)に参禅していた武野紹鴎(たけのじょうおう)や村田珠光(むらたじゅこう)から教わり、以降は堺市を拠点に、商人として、茶人として活躍しました。
いまでも堺の町には、和菓子屋さんや、お茶屋さんも多く、千利休以降、茶の湯文化が深く根付いています。
茶道ミュージアム「さかい利晶の杜」
通称”茶道ミュージアム”こと「さかい利晶の杜」(りしょうのもり)は、侘茶の祖である千利休(せんのりきゅう)を流祖とする茶道千家流(ちゃどうせんけりゅう)の博物館と、堺を代表する歌人・与謝野晶子(よさのあきこ)をあわせた記念館です。
茶の湯の祖である千家茶道由来の地である千利休屋敷跡(せんのりきゅうやしきあと)に面した場所に、堺市の観光の中心となる施設として”さかい利晶の杜”ができました。とても大きい建物で、茶の湯体験、千利休茶の湯館、与謝野晶子記念館、観光案内展示室、民間施設スターバックスコーヒーもはいっています。
さかい利晶の杜では、アトラクションのように”茶道体験”が楽しめる
こちらの施設のトピックスは、なんといっても、茶道体験です。
本格的な和室の茶室では、表千家・裏千家・武者小路千家(むしゃのこうじせんけ)の特徴がでた茶室で、お茶をいただけます。
立礼茶席(りゅうれいちゃせき)では、予約不要で、表千家・裏千家・武者小路千家(むしゃのこうじせんけ)のお点前により、椅子席でお抹茶と堺の和菓子(生菓子)を味わえます。
おそらく茶道の3つの流派を、同じ施設内で、同時に見れるのは、日本でこの施設だけではないでしょうか。
さかい利晶の杜の基本情報はこちらです。
- 住所:〒590-0958 大阪府堺市堺区宿院町西2丁1番1号
- 営業時間:10:00~17:00
- 駐車場:あり(24時間稼働)
- 問合せ先:TEL072-260-4386
- アクセス:【阪堺線 宿院駅】より徒歩1分、【南海高野線 堺東駅】よりバスで約6分、【南海本線 堺駅】より徒歩で約10分/バスで約3~5分
堺市立茶室 伸庵
大仙公園内の堺市博物館横に、国の登録有形文化財である堺市茶室「伸庵」と「黄梅庵」の二つ茶室があり、それらをつなぐように茶庭が整備されています。庭園の見学は無料で、庭園には国指定重要文化財の旧浄土寺九重塔があります。
堺市立茶室 伸庵の基本情報はこちらです。
- 所在地:〒590-0802 大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁
- 問合せ先:072-247-1447
- 営業時間 9:30~16:30(ただし立礼席/椅子席のご利用は10:00~16:00)
- アクセス:JR阪和線「百舌鳥駅」下車、南海バス「堺市博物館前」バス停下車すぐ
茶道や煎茶道の茶会にもよく出る大阪堺の名物「けし餅」
南蛮貿易により栄えた堺に、外国から入ってきた芥子の実(けしのみ)をふんだんに使って作られたのが「けし餅」です。
けしの実を、小豆のこしあんを餅皮で包んだものにまぶして作られており、プチプチした食感と芥子の実独特の香りを楽しみながら、美味しくあん餅をいただく、そんな和菓子です。
もとは芥子の実は漢方として日本に輸入されており、それを千利休が気に入り、一気に広がったそうです。
江戸時代初期からは、大阪、堺、和歌山周辺で盛んに栽培されるようになりました
和菓子好きの方はご存知かと思いますが、けっこう他の和菓子屋さんでも見かけます。
大阪堺名物けし餅の老舗店「小島屋」
延宝年間の創業で300年以上の歴史をもつ老舗、研鑽を積み重ねてけし餅一筋に家伝の製法を守り続ける「堺名産けし餅本舗 小島屋」。
堺市の中央通り「フェニックス通り」を走る路面電車「宿院駅」からすぐのところに本店があります。
大阪堺名物けし餅の老舗店「小島屋」基本情報
- 住所:大阪府堺市堺区宿院町東1-1-23
- 営業時間:AM8:30~PM6:00
- 問い合わせ:072-232-0313
- アクセス:南海本線「堺駅」から徒歩7分、阪堺電鉄「宿院駅」から徒歩1分
和菓子のまち・大阪府堺の「くるみ餅」専門店”かん袋”
常に行列が絶えない大阪・堺の『かん袋』、茶道の祖である千利休ゆかりの南宗寺から徒歩5~6分、創業鎌倉末期と言われる老舗です。
このかん袋さんでは、もちもちの白玉団子に、緑色のとろりとした餡(あん)がかけられた”くるみ餅”が名物です。
大阪府堺の「くるみ餅」専門店かん袋の基本情報はこちらです。
- 住所:〒590-0964 大阪府堺市堺区新在家町東1丁2−1
- 問い合わせ:0722331218
- 営業時間:10時~17時
- 定休日:毎週火曜、水曜
- アクセス:阪堺電車「寺地町駅」から徒歩2分
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大阪の茶道ゆかりのスポットや和菓子店はいかがでしたでしょうか。
革新性あったり、はたまた歴史のある老舗があったりと、さすが茶道発祥の地ですね。
さらにお茶文化に興味を持たれた方におすすめの関連記事をご紹介します。
投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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