石川県の九谷焼の産地や特徴、歴史を解説
九谷焼の産地や特徴、歴史を解説
こちらの記事は、石川県の焼き物・陶磁器である「九谷焼」について、特徴や歴史を解説した記事です。
約10分ほどで読める内容となっております。
以下のような方におすすめしたい記事です。
- 器や丁寧な暮らしに興味のある方
- 地域の伝統文化や工芸品に興味のある方
- 焼き物・陶磁器に興味を持たれている方など
九谷焼は、磁器(じき:陶石からつくる焼き物)であることが特徴で、美しい色絵が描かれ「世界一美しい焼き物」とも言われることがあります。
その美しさの秘密や、その技術力の背景にあるもの、ストーリーを勉強しに、石川県加賀市に行った際の情報をまとめました。
九谷焼とは?
九谷焼とは、石川県南部の金沢市、小松市、加賀市、能美市で生産される色絵の磁器です。江戸時代に加賀国大聖寺藩の九谷村の鉱山から陶石(とうせき:白色軟質の岩石)が発見されたことと、加賀藩の職人が、今の佐賀県有田町で磁器作りの技術を学んだことによって、17世紀の半ば頃、九谷の地で始められたのが最初の九谷、つまり”古九谷”だと言われています。
九谷焼の歴史とは
九谷焼の歴史は、①江戸時代前期、②江戸時代後期、③明治時代~昭和時代前期、④昭和時代後期~現代、という4つの時期に大きく区分されます。また、九谷焼は360年の歴史の中で様々な絵付け様式が生まれました。
初期のものが古九谷焼ですが、藩内の政治事情や後継ぎの問題で生産がストップし、一度古九谷は潰えます。再度職人を招致しておこなったのが”再興九谷”です。大聖寺藩の有力商人であった豊田伝右衛門の吉田屋窯を中心に、赤絵の宮本窯、金襴手で赤絵との融合により豪華絢爛な焼き物となった永楽窯、素朴だがスマートなフォルムの青木木米風の春日山窯などが誕生し、九谷焼は隆盛を極めました。
九谷焼の特徴
九谷焼の特徴は、多彩な色合いで描かれる絵柄と、上絵付と呼ばれる技法です。九谷焼は、青緑色、黄色、赤色、紫色、紺青色の五色を用いて絵付けを行う、日本でも珍しい焼き物です。九谷五彩とも呼ばれ、器全体に鶴や鳥といった図柄が描かれたり紋様がデザインされて、一際華やかになります。また九谷焼は、釉薬を焼き付けた上から絵付けをする「上絵付」の技法を用います。そのため生産時間が必要となり、完成する作品も少なくなるのですが、世界でも類を見ない美しい器になります。
九谷焼の口コミやレビュー
石川県にある九谷焼スポットをご紹介
九谷焼発祥の地は、石川県加賀市です。現在でも多くの作家や職人が九谷焼の生産に携わっており、市内には窯元が点在しています。九谷焼にさらに興味を持たれた方に、加賀市の九谷焼関連スポットをご紹介します。
九谷焼を詳しく学べる「九谷焼窯跡展示館」
北陸の名湯である加賀温泉郷・山代温泉の近くにあり、初めて九谷焼が作られた九谷村の窯跡の上に建てられた展示館で、焼成窯や九谷焼の様々な器を見ることができます。初期のころの古九谷の歴史や器、絵付けの技法などを詳しく学ぶことができます。
九谷焼作家の作品が一堂に会する「九谷焼美術館」
九谷焼美術館では、歴史ある九谷焼から現代作家の作品まで幅広く展示されています。館内には陶芸教室もあり、実際に九谷焼の絵付け体験ができるのも魅力です。
九谷焼を購入できる「九谷焼窯元巡り」
加賀市内には、多くの九谷焼窯元があり、窯元巡りを楽しむことができます。工房見学ができる窯元や、作品を購入できるギャラリーも多くあり、直接職人さんとお話ししながら、お気に入りの一品を見つけることができます。
九谷焼は、その美しい色絵や独特の技法により、国内外で高く評価されています。是非、実際に足を運んで、その魅力を体感してみてください。
日本の伝統工芸品の一つである九谷焼の美しさや歴史について知り、実際に現地でその魅力を体感することは、特別な体験となることでしょう。
また、この記事が皆様の九谷焼への興味や理解を深める一助となれば幸いです。
さいごに
この記事を読んでいただき、ありがとうございました。この記事をきっかけに、九谷焼の美しさや歴史に触れていただければと思います。
九谷焼に興味を持たれた方は、ぜひ石川県加賀市を訪れてみてください。美しい器たちと、その背後にある歴史や技術に触れることで、より一層九谷焼の魅力を感じていただけることでしょう。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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