兵庫県の丹波焼とは?特徴や人気有名作家・窯元、歴史を解説

丹波焼とは?

丹波焼とは、兵庫県丹波篠山市を中心に生産されている陶器です。

文化庁が認定する日本六古窯にも認定されるほど古い歴史をもつ産地で、平安時代より庶民の生活雑器を作っていた歴史があり、丈夫で使いやすさに定評のある焼き物です。現在でも丹波篠山市の焼き物の郷一帯では、およそ50軒の窯元が立ち並でおり、さまざまな陶器にふれながら窯元巡りができます。丹波焼は一貫して日用雑器を主体に今日まで焼き続けており、灰釉や鉄釉などによる素朴で飾り気がなく野趣味たっぷりな湯呑・皿・鉢が販売されています。

参考:丹波焼の概要と歴史 – 旅する、千年、六古窯 – 日本六古窯 公式Webサイト [日本遺産] –  

丹波焼の特徴

丹波焼の特徴とは、赤みがかった陶土を使用している点と、陶土に含まれる微量な自然釉や焼き締めで、独特のデザインに仕上がる点です。飾り気のない素朴な陶器の味わいと飽きのこない落ち着いた美しさが魅力です。また作品を使っていく度に、焼肌の色合いや模様が変化し趣を変えるのが、丹波焼の真骨頂です。

丹波焼の歴史

丹波焼の歴史は古く、12世紀前後の、平安時代末期から鎌倉時代にかけて、始まったものとされています。当時は兵庫県丹波篠山市今田町の付近で、穴窯(あながま)を活用して、周辺に暮らす人々の生活雑器を生産していました。その後朝鮮半島から伝わった登り窯で器を大量生産できるようになり、昭和時代には、民芸運動のあおりを受けて、民芸作品特有のスリップウェアなどのデザインを取り入れるようなっていきました。

丹波焼の発祥は、平安時代末期から鎌倉時代初期にさかのぼります。当時は、山腹に溝を掘り込み、天井をつけた「穴窯(あながま)」を用いて、甕や壺、すり鉢など、庶民の求めに応じたやきものの生産が盛んに行われていました。

慶長末期に入ると、朝鮮式半地上の登り窯が導入され、短い焼成時間で、一度に多くの製品をつくるとこが可能に。新しい技法を手に入れた陶工たちは、同時期に取り入れられた蹴ロクロや、灰や鉄などの釉薬を用いて、生活に即したやきものの製造に力を入れます。

江戸末期、さらに新しい釉薬や漉土(こしつち)によって陶土の質が改善。釉薬を掛け合わせることによって生まれる多彩な模様や、さまざまな用途のやきものが生まれました。昭和20年代に入ると汽車茶瓶やブロックなど、新しい製品の製造をはじめる一方で、昭和40年代には窯業指導所や民藝運動家のはたらきかけによって、民芸品の生産高が急増していきました。

旅する、千年、六古窯:https://sixancientkilns.jp/tanba/

丹波焼の有名な作家一覧

兵庫県丹波焼の産地であもある丹波篠山市にある、有名な丹波焼作家や窯元を一覧にしてご紹介します。

昇陽窯(しょうようがま)雅峰窯(がほうがま)かねと窯丸八窯
炎丹久窯(ほのおたんきゅうがま)丹文窯丹水窯(たんすいがま)丹泉窯
丹波まるいち窯俊彦窯信凜窯信水窯(しんすいがま)
信行窯千代市陶房吟兵ヱ窯壺市
夢工房大熊窯市野伝市窯市野悟窯
延年窯忠作窯未晴窯源右衛門窯
丹久窯(たんきゅうがま)直作窯豪人窯稲右衛門窯
英一窯省三窯陶勝窯陶幸窯

丹波焼のおすすめ窯元・作家をご紹介

丹波焼の郷ヘビーユーザーの私が、丹波焼の郷でおすすめしたい窯元や作家をご紹介します。

丹波焼信水窯 市野信水氏

信水窯では、土づくりにこだわり、登り窯や穴窯焼成で作品を制作しています。主な作品としては茶道煎茶道で使う茶入や茶碗、和菓子の菓子鉢、華道の花器といった伝統的な焼き物をメインに作っています。また丹波焼の技術力を活用して、使いやすい日常食器なども多数制作しています。

丹波焼信水窯の基本情報

丹波焼信水窯の営業時間や問合せ先をご紹介します。

  • 所在地: 〒669-2135 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4−3
  • 営業時間:10時~17時
  • 電話: 079-597-2344

民藝の丹窓窯

丹波焼のなかでも珍しいスリップウエアというヨーロッパでよく用いられるスリップという泥で器の表面化粧された方法で作品をつくっています。民芸の窯として女性に人気です。

  • 所在地: 〒669-2135 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭327
  • 営業時間:9時30分~17時00分

丹波焼の口コミやレビュー

丹波焼のレビュー

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兵庫県の伝統的な焼き物、魅力的でしたね。

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投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。