福井県の越前焼とは?特徴や歴史、販売店を解説!

越前焼とは

越前焼の特徴や由来を解説

福井県といえば、伝統工芸でもある越前焼が有名です。

日本海側の雪深い越前の山里で多くの越前焼作家たちが今も意欲的に古くて新しい越前焼に取り組んでいます。

越前焼は六古窯のうち北陸にある唯一の窯場で、弥生時代の須恵器をもとに発展してきた陶器・焼き物です。

今回は過酷な雪国で古くから生産されてきた越前焼の歴史や特徴について解説していきます。

こちらの記事は約13分ほどで読める内容になっており、以下のような方におすすめしたい記事です。

  • 焼き物や器に興味がある
  • 福井県在住の方
  • 福井に旅行を考えている方

越前焼(えちぜんやき)とは

越前焼は、福井県丹生郡越前町を中心に、生産されている陶器です。同町にある宮崎村、織田町の粘土を使って焼かれることにより越前焼となります。日本の焼き物中でも六古窯(ろっこよう)の一つに数えられ、その歴史は古く、弥生時代の須恵器の影響も受けているといわれています。福井県内には今から1000年以上前の平安時代の焼窯が200基以上見つかっています。

日本六古窯とは、岡山県の備前焼(びぜんやき)滋賀県の信楽焼(しがらきやき)愛知県の常滑焼(とこなめやき)愛知県の瀬戸焼(せとやき)兵庫県の丹波焼(たんばやき)、そして福井県の越前焼(えちぜんやき)の六古窯です。

越前焼の歴史とは

越前焼は、今から約850年前の平安時代末期から始まりました。福井県丹生郡(にゅうぐん)の越前町にある宮崎村と織田町に、粘り気のある鉄分の多い陶土があったことによって生まれました。
その頃は、主に水甕や穀物用の甕、碗、皿、すり鉢といった日用雑器を中心に生産しておりました。

鎌倉時代には常滑古窯の技術を入れてつくられたと思われる越前焼が増え、今の越前焼の形状に近いものとなりました。
そして、越前海岸に近い立地から商品は北前船によって、北は北海道から南は島根県まで広まり、北陸最大の窯業産地として発展しました。

越前焼の特徴とは

越前焼の特徴は、赤褐色の見た目と焼き締めの製法にあります。越前焼の陶土は鉄分を多く含んでいるため、焼成すると鉄分が反応して、黒く赤みを帯びた見た目になります。また釉薬を使わない焼き締めの製法により、陶器らしい頑丈でゴツゴツした愛らしいデザインの越前焼になります。

越前焼の由来・語源とは?

越前焼の由来・語源は、越前市にゆかりのある水野九右衛門、小山冨士夫、北野七左衛門らが命名した名称になります。越前焼の定義は、福井県丹生郡越前町の宮崎地区、織田地区で、地元の土を使って作った陶磁器であるため、地名からとられました。

越前焼の口コミやレビュー

越前焼のレビュー
越前焼のレビュー

福井県で越前焼を楽しめるスポット

福井県で越前焼を買って、作って、鑑賞して楽しめるスポットをご紹介します。

おしゃれな越前焼の食器を買うならここ「越前焼の館」

越前陶芸村内にある「越前焼の館」は越前焼工業協同組合の運営する窯元直売所として、茶道煎茶道で使えるような茶碗、華道で使えるような花器、ビアマグやワインカップなど約1000種類の越前焼を一堂に展示即売しています。また、「福井県陶芸館」内にもミュージアムショップコーナーがありますので、そちらもチェックしてみてください。

「越前焼の館」の基本情報

  • 所在地: 〒916-0273 福井県丹生郡越前町小曽原5−33
  • 問い合わせ先:077-832-2199
  • 営業時間:8時30分~17時
  • アクセス:公共交通機関の場合:JR武生駅下車 福鉄バス越前海岸線かれい崎行乗車約25分陶芸村口下車後徒歩10分、車の場合:北陸自動車道武生I.Cから約30分

越前焼を学べる資料館「越前陶芸村」

四季折々の風景とアート作品が美しく調和した、憩いのスポット。敷地内には、越前焼の歴史や魅力を紹介する資料館をはじめ、陶芸教室、温泉や宿泊施設、お食事処などが点在していて、越前焼と越前の山里の魅力を存分に体感できます。陶彫広場には、岡本太郎の「月の顔」やイサム・ノグチの「レインマウンテン」をはじめ、越前焼の窯元が制作したモニュメントなど、15点のアート作品も点在しています。

「越前陶芸村」の基本情報

  • 所在地:〒916-0273 福井県丹生郡越前町小曽原6−12
  • 問い合わせ先:077-832-3200
  • 営業時間:9時~17時
  • アクセス:★公共交通機関の場合:JR武生駅下車 福鉄バス越前海岸線かれい崎行乗車約25分陶芸村口下車後徒歩10分
    ★車の場合:北陸自動車道武生I.Cから約30分

越前焼の体験はここ「福井県陶芸館・茶苑」

福井県陶芸館の左手奥には茶苑があり、越前焼のお茶碗で日本茶和菓子を楽しむことができます。旅の休憩に和の雰囲気を楽しみながらゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか。

「福井県陶芸館・茶苑」の基本情報

  • 所在地:〒916-0273 福井県丹生郡越前町小曽原120−61
  • 問い合わせ先:077-832-3466
  • 営業時間:9時~17時
  • アクセス:公共交通機関の場合:JR武生駅下車 福鉄バス越前海岸線かれい崎行乗車約25分陶芸村口下車後徒歩10分
    車の場合:北陸自動車道武生I.Cから約30分

福井県の焼き物・陶磁器に興味を持たれた方におすすめしたい記事

福井県の焼き物・陶磁器まとめ、いかがでしょうか。

日本には、各地の風土や気候によって特徴が異なる焼き物があって、とても興味深いですよね。

さらに日本全国の焼き物に興味を持たれた方におすすめの記事をご紹介します。日本の焼き物の種類や産地を一覧にしてまとめてみました。ぜひ一度ご覧ください。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。