煎茶道具「巾合(きんごう)」について

煎茶道具「巾合(きんごう)」とは

煎茶道具の巾合(きんごう)とは、同じく煎茶道具である茶碗を清める際に使用する茶巾(ちゃきん)を入れる器物です。

別名では巾盒(きんごう)という漢字をあてて読んだり、二段になっている重巾盒(じゅうきんごう)などもあります。

盒とは、音読みで”ゴウ”、訓読みで”ふたもの”と呼びます。もとは中国の漢字で、食器などの蓋つきの器のこと指し示す呼称です。

茶巾は、お客様が口を付けて触れるお茶碗を清めるものですので、使用する以前は清浄にしておくために、こういった蓋つきの器物の中にいれておく必要があります。

煎茶道具「巾合」(きんごう)の材質や形について

煎茶道具の巾合の素材は陶磁器(とうじき)が中心で、稀に木や金物、漆器(しっき)でつくられたものもあります。

中にいれる茶巾(ちゃきん)は水分が多く、水屋で水分をしぼってから巾合にいれて、手前座(てまえざ)に運びます。

他にも同じ茶巾入れの役割を果たす、筒状になっている「巾筒」(きんとう)や、角状の筒を「巾承」(きんしょう)という煎茶道具もあります。

煎茶道具「巾合」の画像

煎茶道具「巾合」の画像をシェアさせていただきます。

こちらは磁器でつくられた、雷紋のデザインが施された巾合です。

触った感じはガラスのようにスベスベしており、小さいながらも重さがあります。

お手前を行う際には、気を付けて扱いたいですね。

巾合の蓋を開けてみます。

中も真っ白に焼かれていて、清潔さが感じられます。

煎茶道具「巾合」(きんごう)の動画はこちら。

こちらは京焼の名匠である平安春峰さんの巾合(きんごう)です。

磁器(じき)で制作されており、蓋には「瑞雲」(ずいうん:仏教などで、めでたい兆しとして出現する、紫色や五色の珍しい雲のこと)とかかれています。

煎茶道具「巾合」(きんごう)の動画

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投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。