福岡県の上野焼とは?作家や特徴、歴史や始まり、作家を解説
上野焼とは
上野焼とは、福岡県田川郡を中心に生産される陶器です。
その歴史は古く、今から400年以上も遡る戦国時代後期から江戸時代にはじまったもので、現在では福岡県内に作家も多く、県の伝統工芸品にも指定されています。
上野焼(あがのやき)とは福岡県の伝統的工芸品の一つ。豊臣秀吉の時代に茶道具として作られたのが始まりです。
引用元:上野焼協同組合
上野焼の特徴
上野焼の特徴は、陶器ではあるが薄づくりという点と、絵付けを施さずに自然釉の模様を楽しむデザインであるという点です。
上野焼は、他の陶土を用いた陶器と比べると薄さを意識して轆轤をひきます。
茶道や華道の道具としての需要が増えていき、やがて薄く均整の取れた形を目指していったのではないかと言われています。
また上野焼のデザインは、陶土や釉薬に恵まれた地域であることから、さまざま釉薬をつかった窯変(ようへん:陶磁器を焼く際、炎や温度 ・ 釉薬の具合で予期しない色や文様が生まれること)の意匠を楽しめるようになっています。伝わった当初は、灰釉が使われていましたが、現在では、作家がそれぞれ多種多様な釉薬を器にかけて、焼き上がりの自然の模様を見れるようになっています。
軽くて薄作りの格調高い風合いと、見る者の目を引く美しい色合いが上野焼の魅力・良さだと言われています。
上野焼の歴史と始まり
上野焼の歴史は、今から400年以上前の文禄慶長の役までさかのぼります。朝鮮人陶工であった金尊楷(きんそんかい)が、豊前小倉藩主の細川忠興に招致され、福岡県田川郡上野に窯を開いたことから、上野焼の歴史は始まりました。金尊楷は、高麗青磁の技法を用いて、上野焼を作り続け、30年以上にわたり地域に作陶技術の普及、そして細川忠興に献上し続けました。
上野焼の種類
上野焼の種類は見た目の色合いによっていくつかに分かれます。それは釉薬や焼き方によって見た目が青緑色や真っ黒といった色合いで、作家ごとに異なる焼き上がりになるためです。上野焼の特徴でもある代表的な釉薬の種類をご紹介します。
三彩釉
三彩釉とは、紫蘇釉(しそゆう)と呼ぶ黒に近い暗紫色や黒に発色する釉を施し、その上に黄釉・銅緑釉・白釉を用いてデザインを行うものです。
鉄釉
鉄釉は、釉薬に含まれている鉄分によって黒色、茶色、黒褐色、柿色などに呈色するデザインのことです。
緑青流し
緑青流しとは、銅由来の緑が印象的な釉薬を流れるようにかけた意匠のことです。
飴釉(あめゆう)
飴釉(あめゆう)とは鉄釉の一種で、酸化焼成で褐色になる釉薬です
上野焼の有名な作家・窯元
上野焼の有名な作家・窯元をご紹介します。
上野焼宗家渡窯の基本情報
上野焼宗家渡窯の所在地や営業時間をご紹介します。
- 所在地: 〒822-1102 福岡県田川郡福智町上野3065
- 営業時間:9時~18時
- 電話: 0947-28-2175
上野焼の陶芸作家
日展会員でもある陶芸作家の世良彰彦氏が、上野焼の作家として有名です。
上野焼の口コミやレビュー
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