三重県の萬古焼とは?特徴や歴史、土鍋や急須、有名作家など解説
萬古焼とは
萬古焼とは、三重県四日市市を中心に生産されている陶器です。三重県の伝統工芸品に指定されています。
読み方は「ばんこやき」と言います。
萬古焼は、器の底部分に「萬古」もしくは「萬古不易(ばんこふえき)」といった銘が彫られていることが多いです。「何時の世までも栄える優れたやきもの」という意味でおされています。
急須や湯飲み、土鍋、茶道の茶碗、和菓子の小皿、華道の花器、酒器、室内置物や蚊取り線香などが主に販売されています。
萬古焼の特徴
萬古焼の特徴は、高い耐熱性と紫泥という粘土を使う点にあります。
その特徴が顕著に出るのが、萬古焼の土鍋と急須です。
萬古焼の土鍋の特徴
四日市萬古焼の土鍋につかわれる陶土は、現在の四日市市旭日町小向で採れる良質な鉱物で、葉長石(ようちょうせき)、ペタライトが多く含まれたものです。過去に三重で作られていた土鍋は、急激な温度変化でダメージを負いやすく、欠けやヒビが生じやすかったことに対して、改良を重ねた現在の萬古焼の土鍋には、高熱に強いペタライトを入れることによって、耐熱性に優れヒビ割れが生じにくくなっています。ペタライトは耐熱性が強く、直火にも対応できるため、日用の土鍋や釜に好適です。
萬古焼の急須の特徴
また萬古焼の急須は、紫泥という鉄分の多い粘土を使用します。
紫泥の粘土で成形した急須を焼き上げると深い紫色に変化し、使用する度に光沢が増していきます。
萬古焼の歴史
萬古焼の歴史は、約300年前に、陶器問屋「萬古屋」の当主である沼波弄山(ぬなみろうざん)が三重県朝日町で開窯したことから始まりました。沼波の萬古焼では、硬彩釉による赤絵をほどこした優美な作品や、オランダ蘭書の影響を受けたキリンや象、ライオンなどの柄を色絵で描いたものが有名です。その後、一時衰退をした萬古焼でしたが、四日市市萬古焼の父とも言われる山中忠左衛門(やまなか ちゅうざえもん)により復興し、現在では三重県の四日市市や菰野町を中心に、若手の作家さんや職人さんが活気良く窯をひらいています。
萬古焼の由来
萬古焼の由来は、萬古焼の創始者である沼波弄山(ぬまばろうざん)が「いつまでも変わらない」の意味をもつ「萬古不易」の言葉を作品に刻印していたことから名付けられました。
萬古焼の作家や窯元
三重県の工芸品である萬古焼の有名作家をご紹介します。
内田鋼一氏
内田氏は、愛知県出身の陶芸家で、器のプロデュースも手掛ける萬古焼の仕掛け人です。2015年に、萬古焼をアーカイブしながら、産業とデザインの面からその特徴を見れる私設美術館「BANKO ARCHIVE DESIGN MUSEUM」を開館しました。
萬古焼の私設美術館「BANKO ARCHIVE DESIGN MUSEUM」の基本情報
- 所在地: 〒510-0032 三重県四日市市京町2−13
- 営業時間:11時~18時
- 定休日:火曜、水曜
- 問い合わせ:059-324-7956
- アクセス:近鉄「川原町駅」より徒歩10分、「近鉄四日市駅」より徒歩30分、JR「四日市駅」より徒歩35分
萬古焼の口コミやレビュー
焼き物好きにおすすめの関連記事
萬古焼の記事はいかがでしたでしょうか。
三重県に行かれた際はぜひ訪れてみてくださいね。
さらに焼き物に興味を持たれた方におすすめの記事をご紹介します。日本の焼き物の種類や産地を一覧にしてまとめました。
投稿者プロフィール
-
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
最新の投稿
- 2024年12月7日その他京都勝運パワースポット藤森神社のご利益とは?見どころ、菖蒲の節句発祥、なんの神様、鶴丸や刀剣との関係、左馬、金の馬、犬、騎手、お守りの種類や御朱印情報、最寄り駅・駐車場やアクセス情報を解説!
- 2024年12月7日その他京都の子育て・安産パワースポット御香宮神社のご利益とは?見どころ、なんの神様、祭り、読み方、御香水、お守りの種類や御朱印情報、最寄り駅・駐車場やアクセス情報を解説!
- 2024年12月7日その他京都パワースポット平野神社のご利益とは?見どころ、桜の名所、キンプリ平野君の聖地、お守りの種類や御朱印、すえひろがね、最寄り駅・駐車場やアクセス情報を解説!
- 2024年12月7日その他京都の安産子宝パワースポット梅宮大社のご利益とは?見どころ、お礼参り、またぎ石、なんの神様?日本最古の酒造の神様、お守りの種類、御朱印、猫、最寄り駅・駐車場やアクセス情報を解説!