煎茶道のお手前とは? 一煎一煎に心を込める、その魅力に迫る

「煎茶道」と聞いて、どんなものをイメージしますか? 茶道の一種であることは想像できても、具体的にどのようなものか、詳しく知っている方は少ないかもしれません。しかし現在、全国の都道府県に煎茶道の流派があるなど、根強い人気があります。(※)

この記事では、煎茶道のお手前を中心に、その魅力や奥深さについて解説していきます。

※参考…煎茶道の流派に関する記事はこちらの記事をご覧ください。

煎茶道とは?

煎茶道は、日本の伝統的な茶道の一種です。 抹茶を用いる茶道とは異なり、急須を用いて煎じたお茶を、茶碗に注いで味わう点が特徴です。日本茶の煎茶や玉露を使うことが多いです。

鎌倉時代に中国から伝わった喫茶の文化を基礎とし、江戸時代中期に売茶翁(ばいさおう)の活動によって広まりました。煎茶道では、お茶の味はもちろんのこと、空間全体、季節感、そして主客のコミュニケーションを大切にするという奥深さがあります。

煎茶道の詳細はこちらの記事をご覧ください。

※参考…文化庁「生活文化調査研究事業報告書(煎茶道、香道、和装、礼法、盆栽、錦鯉)(令和5年度)

煎茶道のお手前:基本的な流れ

煎茶道のお手前は流派によって異なりますが、基本的な流れは以下の通りです。

1.お湯を沸かす: 湯を沸かし、湯冷ましにお湯を移します。

2.茶器を温める: 湯冷ましのお湯を用いて、急須や茶碗などの茶器を温めます。

3.茶葉を急須に入れる: 茶葉の量はお湯の量や種類によって調整します。

4.お湯を注ぐ: 急須にお湯を注ぎ、茶葉が開くのを待ちます。

5.お茶を注ぐ: 茶碗にお茶を注ぎます。 最後の一滴まで注ぎ切るのが、美味しいお茶を淹れるコツとされています。

6.お茶を味わう: お茶の香りとともに、季節の和菓子なども楽しみます。

煎茶道のお手前における作法や注意点

煎茶道のお手前では、**「美味しくお茶を淹れること」**はもちろんのこと、 「美しい所作」 も重要視されます。

姿勢を正して、動作は静かに行う

茶器を持つ際は、両手で丁寧に扱う

お茶を注ぐ際はお茶碗を軽く傾け、お茶が飛び散らないようにする

お茶をいただく際は、音を立てずにゆっくりと味わう

煎茶道のお手前を体験するには?

煎茶道に興味を持った方は、ぜひ一度お手前を体験してみてはいかがでしょうか? 近年では、初心者向けの体験教室なども増えています。

インターネットで「煎茶道 体験教室 (お住まいの地域)」と検索したり、カルチャーセンターの講座などを探してみると良いでしょう。また、地域の公民館などで開催される、煎茶道のイベント情報などもチェックしてみましょう。

まとめ|煎茶道の奥深さを体感しよう!

煎茶道のお手前は、一見シンプルに見えますが、そこには お茶を美味しく淹れるための技術 と、 相手をもてなす心 が凝縮されています。

煎茶道の世界に触れてみることで、日本の伝統文化の奥深さ を実感できるでしょう。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。