茶道の禅語「夏雲多奇峰」とは?掛軸の意味、読み方、使い方を解説

茶道の禅語「夏雲多奇峰」とは?
茶道の禅語「夏雲多奇峰」とは?

夏雲多奇峰って言葉を見たこと、聞いたことはありますか?

茶道の茶会や華道の花会で床の間で飾られる掛軸に書かれることが多いです。

夏雲多奇峰の読み方

夏雲多奇峰は、「かうんきほうおおし」と読みます。

夏雲多奇峰の意味

夏雲多奇峰の意味は、夏の雄大な大空と、そこに漂う珍しい峰のように大きな雲のある景色は、なんと美しい!とうたっています。

夏の雲とは、夏特有の入道雲の事です。奇峰とは、日本語にすると、めずらしい山の峰のように見える大きな雲が多いということで、青空と変化して行く夏雲の織り成す景色が壮麗であると伝えているのでしょうか。

夏雲多奇峰の時期

夏雲多奇峰が茶道のお茶会でかけられる時期は、その字のとおり夏が多いです。

夏雲多奇峰の由来や歴史

夏雲多奇峰の由来は、中国の詩人、陶淵明による「四時の詩(しいじのうた)」の一部と言われています。

  • 春水満四澤(春には雪解け水でそこかしこの沢が溢れそうで躍動の気がみなぎっている)
  • 夏雲多奇峰(夏には峰のように大きな入道雲が雄大に浮かんでいる)
  • 秋月揚明暉(秋にはまん丸の美しい月が夜空に浮かび上がり輝く)
  • 冬嶺秀孤松(冬には嶺に立つ一本の松のみが高くそびえている。) 

四季の美しさや特徴を、五言絶句で吟じたものです。