茶道の禅語「東山水上行」とは?掛軸の意味、読み方、使い方を解説
東山水上行の読み方
東山水上行は「とうざんすいじょうこう」と読みます。
東山水上行の意味
東山水上行は、悟りの境地のことを意味します。
東山水上行は、中国の禅僧が言われた言葉で、ここでいう「東山」とは、中国湖北省にある馮茂山のことだと考えられています。
その「東山」が「水の上を歩いていく」という意味で、まったく理解できない言葉です。
それもそのはずで、東山水上行は禅問答の言葉で、悟りの境地を表したワードです。
山の上を流れる雲を見ると、視覚的には雲が動いているように見えます。もちろん物理的にも不動の山が動くはずがなく、水蒸気の集まりである雲が移動しているのですが、見方を変えると、雲ではなく山が動いているようにも見えるわけです。私の考えですし、極端な話をしましたが、もっと超越的な視点をもって、既存の考え方にこだわらないことが、悟りへの道なのかもしれません。
東山水上行の歴史や由来
東山水上行は、「雲門広録」によると、中国唐末の僧、雲門禅師が「三世の諸仏の悟りの境地とは」と問われてこう答えられたそうです。
東山水上行の時期
華道や茶道・煎茶道のお茶会で東山水上行の掛軸が出てくる季節は、夏の7,8月が多いです。
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投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。