茶道の禅語「秋月揚明輝」とは?掛軸の意味、読み方、使い方を解説

茶道の禅語「秋月揚明輝」とは?
茶道の禅語「秋月揚明輝」とは?

秋月揚明輝の意味

秋月揚明輝の意味は、秋の月が明るく輝いている、ということになります。

秋の中秋の名月は十五夜とも呼ばれ、1年間の中でも月が最も美しく見れる季節です。

明るく輝く秋の月を揚げるということで、秋の月の美しさを強調しています。

ちなみに中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。日本では中秋の名月は農業の行事と結びつき、「芋名月」と呼ばれることもあります。

茶道煎茶道の茶会では秋の季節にこの軸がよくかかります。

参考:中秋の名月(2022年9月) | 国立天文台(NAOJ)

秋月揚明輝の読み方

秋月揚明輝は「シュウゲツメイキヲアゲ」と読みます。

秋月揚明輝の歴史や由来

陶淵明(とう えんめい:興寧3年(365年)~元嘉4年(427年)11月)の「四時」という詩からとられています。陶淵明とは、中国・六朝時代最高の詩人で、農耕生活から生まれた数々の詩は、人生や社会との葛藤を映し出す名詩だと言われています。

「四時」では、春水満四澤、夏雲多奇峰、秋月揚明輝、冬嶺秀孤松 という五言絶句で、四季を詠っています。

それぞれが四季の美しさ、壮大で壮麗な自然の美しさを端的に表しています。