初めてのお茶会の流れや注意点とは?持ち物や当日の流れ、時間を解説

普段カフェでお茶やコーヒーを飲んでお茶をすることは多いと思いますが、茶道の茶会に行ったことはありますか?

茶道煎茶道の茶会は、お寺や神社、地域にある茶室で定期的に開かれていて、大人になると招かれることもあるかと思います。

今回は、はじめての方に向けて、茶道のお茶会に参加した時の作法や服装、注意点を解説します。

茶道についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

お茶会ってどんなもの

茶道煎茶道のお茶会とは、日ごろのお稽古やレッスンの成果を披露する場所。皆さんが気合を入れておもてなしをしてくれます。

はじめてのお茶会参加をされる方にとっては、右も左も分からず、分からないことだらけですよね。

今回はお茶会で事前に用意するもの、お茶会の時間や流れについて説明します。

事前に用意するもの

お茶会で事前に用意しておいた方が良いものは、白い靴下、扇子、菓子切、懐紙です。

茶室に入る前に準備しておきましょう。

もちろんどんな形式のお茶会か、どの流派のものか、によって異なります。

はじめての茶会での作法は、特に必要ないというのが筆者の結論です。

なぜなら茶道の作法は、茶道や茶会という限定された場所や人たちの中でのみ行うもので、ほとんどの人が知らないのが当たり前です。

主催する側からすると、常連用の茶会でない限り、お客様の中にはじめの方がいることも想定されているので、そこまで気にする必要はありません。

強いて言うとすると、畳の縁は踏まない、周りの人の行動に合わせる、これさえ出来れば大丈夫です。

ただあって困るものではない、ちゃんと予習してきたと、招いた側に伝えるためにもあった方が良いものをご紹介します。

茶会での服装

茶道の茶会で多い服装は、男性はスーツやジャケットを羽織った格好、女性もワンピースなど清潔感があるものが良いです。

どちらにも共通して言えることは、フォーマルな格好だと無難です。

茶会で持参すべきものは、和菓子を切る菓子切りと茶碗を拭いたり和菓子をのせる懐紙、茶室で履き替える白い靴下、扇子(あれば)の4点です。

白い靴下

茶会には白い靴下や足袋を持参すると良いです。

茶道の文化に通じる考えで「外から履いてきたものを茶室に入る前に清潔なものに履き替えることによって、日常の雑念を払い、清浄と緊張感を得るため」に、茶道を習われている方は、一番最初に習うことなのです。 茶道の精神である「和敬清寂」というものがありますが、その「清」の部分につながるこの白い靴下や足袋は、茶道や煎茶道にはかかせないものなのです。

菓子切か黒文字

茶会では、茶菓子がでてくるため、それを切り分けて食べる際の菓子切か黒文字があった方が良いでしょう。といってもない場合が多いので、事前に招いてくれた人に相談して、黒文字をもらうか、予備の菓子切を借りておくこともおすすめです。

懐紙

茶会では、主菓子や干菓子が菓子鉢で供され、受け取る必要があるため、皿としての役割を果たす懐紙が必要です。

茶道の懐紙の使い方や身につけ方、種類に関して詳細に解説した記事がありますので、下記もご覧ください。

扇子

茶会では、扇子があれば持参したほうが良いです。茶道の世界では、膝の前に扇子を置くことが作法としてあり、茶会においては礼は何度も行うため、扇子が重要になってきます。扇子を自分の前に置くことで相手への尊敬を表すため、座って挨拶をするときに、扇子を席主やお点前さんと自分の間である膝前に置き、それを境として相手に礼を行います。これは自分のその他の間に結界をつくるの役割もあります。

お茶会の時間

お茶会の時間は、茶席の開始時間と、茶席の終了時間が事前にお知らせされることが多いため、注意が必要です。

茶会の時間が、9時から14時の間を知らされた場合を例にあげて説明します。

茶席の開始時間

9時から14時の間に茶会が行われると情報共有されたとき、受付時間は9時より前になります。

茶席の終了時間

9時から14時の間に茶会が行われるとなった時、14時前には茶会が終わることが多く、受付は13時前後にやめてしまうことがあります。

せっかく茶会に参加する機会になって、現地まで行ったのに、受付が終了していたら勿体ないので、早めに行かれることをおすすめします。

オススメの時間帯

ちなみにお茶会に参加するおすすめの時間帯ですが、2席目からがおすすめです。1席目は、茶会において目上の方、例えば市長や町長、お寺の住職、議員さんといった方が参加されることが多く、緊張感が増します。2席目以降は、わたしの経験上ですが、比較的緩やかな雰囲気になることが多いです。

お茶会の流れ

実際にお客さんとして参加した場合の、お茶会の流れを解説します。

受付

お茶会の場所に到着したら、まず受付をしなければいけません。

お茶会の会場前にあることが多いので、そこで名前を述べて、筆で芳名帳に記入した後、何席目に入るかを決めます。

その際に参加料をお支払いする際は、新札で封筒に入れておいた方が良いです。ここは優先順位は高くないですが、普段茶道をされている方は、月謝を新札で封筒にいれて渡すことが多いです。細かい部分まで気になる方は、新札で封筒に入れておくことをおすすめします。

待合

茶席に入る前に、待合の部屋に通されます。

だいたい茶席が行われている部屋の隣か近くです。

茶席

いよいよ茶席に入ることになります。

注意事項としては、自由席になることが多いため、正客には座らないようにしましょう

茶会での注意点

正客の席に絶対に座らない

正客とは、床の間の前、その茶席において格上の人が座る席です。その席に座ると、席主とコミュニケーションを取る役割があるため、席主に対して、お道具について質問したり、掛軸やお菓子について尋ねなければいけません。

そして注意が必要なので、自由席であるために、誰も座りたがらず、間違って座ってしまうことがあります。そういった状況を回避するために、茶席に入って席を決める際には、はじめて茶会に参加していること、勉強中であることを伝えて正客は避けるようにしましょう。

金属の装飾品は外す

また指輪やブレスレットなどの貴金属は外して参加しましょう。

お茶会で出てくる焼き物・陶磁器の茶道具は、高価なものであるため、金属の装飾品を身に着けていると傷がついてしまう可能性があります。

茶道のお茶会の流れ

茶会の流れを、会場に到着してから順に説明します。

はじめて茶会に参加するときの参考にしてください。

受付

茶会の場所に到着したら、まずはじめに受付をしましょう。

お茶会は複数の人を招くことが多く、主催側は名簿をつくって受付をしています。

受付では記名、もしくは名前を告げて会場に入るようにしましょう。

茶室へ

受付を済ませると、次は茶室に案内されます。

茶室に入ると、床の間があり、華道・生け花や掛軸がかけてあります。

一度そちらに一礼してから席に着くようにしましょう。

華道をもっと詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

亭主とご挨拶

全員が茶室に入ると、亭主が水屋から出てきてご挨拶をされます。

その際は、周りに合わせて挨拶をするようにしましょう。

お点前さんの礼

亭主に加えて、お点前さんも入室されます。

茶会ではお点前さんに合わせて礼をするのが3回ほどあります。タイミングとしては、入室されてお点前が行うとき・お茶を点て終えて片付けをおこなう時・お点前を終えた時です。

菓子をとる

お点前がはじまると、少し時間がたってから和菓子が出てきます。

基本的には菓子鉢に入って出て切るので、鉢についている箸で、自分の懐紙に菓子をのせる必要があります。

和菓子についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

お茶をいただく

お菓子をいただいたら、少ししてから抹茶が入ったお茶碗がまわってきます。

自分の席にお茶碗が運ばれてきたら、お点前さん、同じ席の人に「御先に頂戴します」と声を掛けてから、お茶をいただくようにしましょう。

抹茶についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

お茶会の終わり

お点前さんが道具をすべて水屋に片付けると、茶会は終わりになります。

最後に亭主へ礼をして退室しましょう。

まとめ

はじめての茶道のお茶会に関する記事はいかがでしたでしょうか。

茶道に関して興味を持たれた方におすすめの記事をご紹介します。

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茶道の懐紙とは?使い方や身につけ方、種類を解説

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。