福島県の相馬焼とは?特徴や歴史、作家を解説
東北は、寒冷地であるため作陶の粘土が凍ってしまい、焼き物の文化が根付きにくいと言われていました。
相馬焼は、その中でも福島県に根付いた貴重な窯元です。
今回はそんな相馬焼の特徴や歴史、作家さんなどをご紹介します。
相馬焼とは?
相馬焼とは、福島県浪江町の大堀地区を中心に生産されている、300年以上の歴史を誇る陶磁器です。
茶道の茶器や華道の花器から和菓子をのせる小皿や食器、灰皿など日用雑器まで生産されています。
相馬焼の歴史
相馬焼の歴史は古く、300年以上前の江戸時代中期にさかのぼります。
大堀エリアを支配する相馬藩の藩士である半谷休閑(はんだいきゅうかん)の使用人が作陶を習得し伝えたといわれています。その後、相馬藩が特産品として保護し、農閑期の農家の副業となって一大産地に発展しました。明治以降は藩の支援がなくなり産地間競争もあって窯元数は減り、東日本大震災でも休窯する窯元も増えましたが、今も相馬焼は福島県で革新を続けています。
相馬焼の特徴
相馬焼の特徴とは、「青ひび」、走り駒とも言われる「左馬の絵」、「二重焼き」の3点です。
相馬焼の特徴「青ひび」
青ひびとは、相馬焼の表面に見られる貫入のことで、焼成したあとの陶土と釉薬の縮小率の違いで生じます。器全体に貫入がはいることにより、経年劣化で自分だけのデザインに変わっていきます。
相馬焼の特徴「左馬の絵」
また左馬の画とは、器の表面に描かれた絵付けのことです。馬は元来、左から乗る動物です。 走り駒は狩野派の筆法で疾走する馬を描いています。右から乗ると、馬はつまずいてころぶという習性をもっています。 そうした馬の習性から「長い人生をつまずくことなく過ごすことができ、福を招くめでたいもの」として、左馬は商売繁盛の守り駒として認知された存在です。”右に出るものがいない”の意味から福島で親しまれる縁起ものの絵柄の1つです。
相馬焼の特徴「二重焼き」
加えて二重焼きは、熱いお湯を淹れても熱を伝えず、冷たいものを注いでも結露しない構造になっています。
相馬焼の作家・窯元
相馬焼は福島県内に10数軒の窯元がいます。その中でも有名な窯元をご紹介します。
相馬焼窯元半谷窯
半谷窯は、相馬焼の始祖である半谷休閑の伝統を継いだ窯元です。半谷窯では、湯呑みやカップ、皿などの日用雑器が販売されています。
相馬焼窯元半谷窯の基本情報はこちらです。
- 所在地: 〒960-2156 福島県福島市荒井庚申下45
- 営業時間:10時~18時
- 電話: 090-5597-8041
相馬焼の口コミやレビュー
焼き物好きにおすすめ記事
相馬焼の記事はいかがでしたでしょうか。
東北最大の窯元、とても素敵ですね。
隣の県ですが、まったく異なるデザインの焼き物です。
さらに日本全国の焼き物に興味を持たれた方におすすめの記事をご紹介します。
日本の焼き物の種類や産地を一覧にしてまとめてみました。ぜひ一度ご覧ください。
投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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