三重県の伊賀焼とは?特徴や有名作家、美しさや歴史を解説!
伊賀焼とは
伊賀焼とは、現在の三重県伊賀市を中心に生産されている陶器です。いまから約400年前の戦国時代に、伊賀上野藩主である筒井定次(つついさだつぐ)の指導で誕生したと言われています。花入れや水指 (みずさし) 、茶壷など茶道や華道の道具類が多く作れています。
伊賀焼の特徴と美しさ
伊賀焼の特徴は、ビードロ釉というガラス質の青い釉薬と、力強い見た目、非対称の美が魅力的です。
伊賀焼は、「伊賀の七度焼」と呼ばれ、高温の穴窯の中で何度も焼成されます。そういった何度も焼き上げを繰り返すことにより、陶土の中に含まれているガラス成分と、窯を燃やす薪の灰が溶けて釉薬になり、合わさって美しい青ガラス質のビードロ釉が生じます。そのため高温の火に耐える、分厚くて力強いデザインになります。美しい土色の変化や見た目の素朴さが魅力です。
また伊賀焼の茶道具は、非対称の美が魅力です。茶人大名である筒井定次は、織部焼で有名な古田織部と交流があったことから、あえて均整な形を崩したデザインが有名です。
伊賀焼の歴史
伊賀焼の歴史は、1000年以上前の平安時代あたりから始まります。当時は伊勢神宮に奉納する神瓶を生産しており、また生活雑器として水甕や土瓶を制作していました。
伊賀焼の有名作家や窯元
有名な伊賀焼の作家や窯元をご紹介します。
伊賀焼作家・土楽窯の「福森雅武」
福森さん伊賀焼を代表する窯元「土楽窯」の7代目当主で、明治生まれの随筆家で有名な白洲正子さんとも交流があり、福森さんを示す文章も作品の中に残りしているようで、ここでご紹介します。
伊賀の丸柱においしいものを喰べさせる家がある。本職は陶工だが、料理好きで、自分の山でとれる茸や山菜が中々うまい。松茸などは背負籠にいっぱい出て来るし、冬は猪、夏は鮎も釣ってくる、それに伊賀は牛肉もうまいと、うまいことずくめで誘ってくれた友人がいた。おいしいものを喰べるためには、千里の道も遠しとしない私だが、時間がなくてしばらく行くことができなかった。その間に、友人から大きな土鍋がとどいて来た。
使ってみると、従来のものよりはるかに工合がいい。実に心の行き届いた土鍋だと思って、愛用していたが、それが土楽さんの造ったものと知ったのは後のことである。
『日本のたくみ ── 土楽さんの焼きもの 福森雅武』白洲正子(新潮文庫)
土楽窯の基本情報
土楽窯の所在地や営業時間をご紹介します。
- 所在地: 〒518-1325 三重県伊賀市丸柱1043
- 営業時間:11時~17時
- 定休日:土曜日、日曜日
- 電話: 0595-44-1012
伊賀焼の口コミやレビュー
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伊賀焼の記事はいかがでしたでしょうか。
三重県の伝統的な焼き物である伊賀焼、素朴な見た目と美しい自然な土色が魅力的ですね。
県内では土鍋や羽窯として使われることが多いらしく、三重県に旅行に行った際ぜひお買い求め
さらに焼き物に興味を持たれた方におすすめの記事をご紹介します。日本の焼き物の種類や産地を一覧にしてまとめました。