山口県の萩焼とは?特徴や歴史、有名窯元・作家を解説
萩焼の特徴や歴史、人気の窯元や作家をご紹介
山口県を代表する工芸品「萩焼(はぎやき)」について、歴史や由来、特徴について、現地レポートを共にまとめた記事です。
萩焼の産地である萩市は、長州藩主であった毛利輝元の城下町でありました。現在ではかつての歴史が感じられる遺構が数多く残っており、崩れかけた土塀、街を流れる藍場川、そして窯場、茶器を売る店、抹茶をいただけるお店など、観光にも最適です。
以下のような方におすすめしたい記事です。
- 焼き物や器が好き
- 山口県に観光や旅行を検討されている方
- 丁寧な暮らしに興味のある方
萩焼とは
萩焼とは、400年以上の歴史をもつ、山口県萩市で生産される陶器です。茶道具の産地として有名で、日本の焼き物と言えば「一楽、二萩、三唐津」という言葉が残るほどです。
萩焼の特徴とは
萩焼の特徴は、やわらかで素朴な風合いがあり、使われる陶土と釉薬により生まれる「萩の七化け」と呼ばれる貫入になります。萩焼の陶土は大道土という白く明るい色合いのもので、枇杷色の焼き物が出来上がります。また萩焼の表面には細かいヒビが入る貫入が全体的に見られます。このヒビが長年使うことにより着色され、器の風合いが変わっていく「萩の七化け」と呼ばれる現象がおきます。まさに自分だけの萩焼といったオリジナリティ溢れる焼き物になります。
萩焼の歴史とは
萩焼の歴史は古く、今から約400年前、戦国時代を代表する大名である毛利氏の御用窯として発展しました。その後、江戸時代に毛利輝元(もうりてるもと)が朝鮮から李勺光(りしゃこう)、李敬(りけい)の陶工兄弟を連れて帰り、萩の城下町に築窯させて以来、この地では一貫して茶道具が作られています。さらに茶の湯好きとして有名な出雲国松江藩主の松平不昧(まつだいらふまい)によって茶道具として見いだされ、いまでは全国に名がとどろく陶器になりました。
萩焼の口コミやレビュー
萩焼の人気作家や窯元をご紹介
萩焼の郷である山口県萩市に行って現地の窯元を巡ってきたので、萩焼のおすすめの窯元や人気作家をご紹介します。
萩市は山口県北部に位置し、日本海に面した港町もであります。
海鮮市場もあり、はぎ温泉郷もあるなど観光都市です。
交通機関はそこまで発達していないので、車での移動をおすすめします。
萩焼窯元 泉流山
萩焼窯元 泉流山 取手付四角花入れ萩焼窯元 泉流山(せんりゅうざん)は文政9年創窯の老舗窯元で、登り窯や蹴りロクロなど本格的な萩焼製造・販売をおこなっている窯元ギャラリーです。
萩焼窯元 泉流山の基本情報
萩焼窯元 泉流山の詳細情報は下記の通りです。
- 住所:〒758-0011 山口県萩市大字椿東4481
- 営業時間:9時~17時
- 定休日:水曜日
- 問合せ先:0838-22-0541
- アクセス:JR山陰本線東萩駅より車で5分
萩焼 大屋窯
萩焼大屋窯は萩焼作家である濱中史朗氏が代表を務められる萩焼窯元です。日本のみならずアメリカやヨーロッパなど海外でも個展を開く人気作家・濵中月村氏の窯元をご子息の史郎氏が引き継ぎ、実用的あり、芸術性もある美しい焼き物が販売されています。
萩焼大屋窯の基本情報
萩焼大屋窯の基本情報は下記の通りです。
- 住所:〒758-0061 山口県萩市椿905
- 問合せ先:0838-22-7110
- 営業時間:13:00-17:00
- アクセス:中国道美祢東JCT~絵堂ICから車で約20分
萩焼の口コミやレビュー
萩焼をの博物館や美術館
萩焼をもっと知るためにおすすめの博物館や美術館、資料館をご紹介します。
萩焼資料館
山口県萩市にある経済産業大臣指定・伝統的工芸品萩焼を紹介する資料館です。約400年前の萩藩御用窯時代の萩焼、江戸初期の松本窯や三ノ瀬窯の初期の作品、家祖伝来のものや萩の旧家に長年眠っていた名品珍品が数多く
萩焼資料館の基本情報
萩焼資料館の基本情報は下記の通りです。
- 住所:〒758-0057 山口県萩市大字堀内502−6
- 開館時間:9:00~17:00(年中無休)
料金:大人500円 小人300円 - 問合せ先:TEL 0838-25-8981
- アクセス:JR山陰本線東萩駅から車で7分、萩循環まぁーるバス(西回りコース)「萩城跡・指月公園入口 北門屋敷入口」バス停より徒歩4分
石井茶碗美術館
石井茶碗美術館は、茶碗の収集家として有名だった故・石井規源斎氏のコレクションである古萩や高麗の抹茶茶碗など約130点を展示する美術館です。
石井茶碗美術館の基本情報
石井茶碗美術館の基本情報は下記の通りです。
- 所在地: 〒758-0077 山口県萩市南古萩町29
- 問合せ先:0838-22-1211
- 開館時間 9:00~12:00、13:00~16:45
- 入館料:大人500円、小中高生300円
- アクセス:JR山陰本線・萩駅よりまぁーるバス西回りで17分、「萩美術館浦上記念館・萩地方合同庁舎前」下車、徒歩5分
山口県立萩美術館・浦上記念館
山口県立萩美術館・浦上記念館は、萩市出身の実業家、浦上敏朗氏が収集したコレクションが並ぶ、萩市にある美術館です。
3つのジャンルにわけられており、浮世絵版画約5,000点、東洋陶磁約400点、陶芸・工芸が多数展示されています。
その豊富なコレクションと、貴重さ、館内の清潔さなどからミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで2つ星(寄り道する価値がある)にも登録されており、山口県にきたら外せないスポットです。
山口県立萩美術館・浦上記念館の基本情報
山口県立萩美術館・浦上記念館の基本情報は下記の通りです。
- 住所:〒758-0074 山口県萩市平安古町586−1
- 問合せ先:0838-24-2400
- 開館時間:9:00~17:00
- 入館料:一般300円、学生200円(毎週月曜日定休(祝日の場合は翌日)、年末年始)
- アクセス:JR山陰本線・萩駅よりまぁーるバス西回りで17分、「萩美術館浦上記念館・萩地方合同庁舎前」下車すぐ
吉賀大眉記念館(よしかたいびきねんかん)
萩陶芸美術館「吉賀大眉記念館」は、萩焼の展示施設として萩で唯一の総合美術博物館です。
萩焼最高峰で国の文化功労者、萩焼窯元泉流山の代表作品や江戸期の古萩、大眉ゆかりの関連作品が一堂に展示されています。
吉賀大眉氏は、先述した萩焼窯元泉流山の先代当主です。館内では吉賀大眉と他の作家さんとのコラボ作品も展示されたりと企画展も多いので、萩焼に興味を持たれた方はぜひ訪問してみてください。
吉賀大眉記念館の基本情報
吉賀大眉記念館の基本情報は下記の通りです。
- 住所:〒758-0011 山口県萩市 大字椿東前小畑426−1
- 問合せ先:0838-26-5180
- 開館時間:9:00~17:00
- 入館料:大人500円、大高生300円、中小生200円
- アクセス:JR山陰本線・東萩駅下車、徒歩15分
熊谷美術館(くまやびじゅつかん)
熊谷美術館は、熊谷家代々の当主が収集した美術品が展示される美術館です。主な展示品は、雪舟三幅対など書画屏風類、茶道具類、装飾用品のほか、文書資料約500点が挙げられます。
熊谷美術館の基本情報
熊谷美術館の基本情報は下記の通りです。
- 住所:〒758-0052 山口県萩市大字今魚店町 47番地
- 問合せ先:083-822-7547
- 開館時間:9:00~17:00(毎週月曜日休館(祝日の場合は翌日)、年末年始)
- 入館料:大人700円、小人400円
- アクセス:・JR山陰本線・東萩駅下車後に徒歩20分、JR山陰本線・萩駅からまぁーるバス東回りで9分、「熊谷美術館前」下車すぐ
焼き物好きにおすすめの記事
萩焼の記事はいかがでしたでしょうか。
山口の萩市は古い町並みが残り、一生に一度は行ってみたい場所です。
さらに日本全国の焼き物に興味を持たれた方におすすめの記事をご紹介します。日本の焼き物の種類や産地を一覧にしてまとめてみました。ぜひ一度ご覧ください。
投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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