煎茶道お茶会運営レポート:テーマ設定・ロケーションハンティング

依頼内容

大崎市をテーマに、地場産品を使って煎茶道のお茶会を開催してほしい。

お客様から上記の依頼を受け、煎茶道のお茶会を開催することにしました。

今回の目的は煎茶道のお茶会を通して、伝統文化に触れながら、地域の魅力を再発見し、自分の生まれ育った土地に自身を持ってもらうことです。

ロケーション選定の重要性

煎茶道のお茶会イベントを成功させるためには、適切なロケーションの選定が重要です。

お茶会はその雰囲気や環境によって参加者の体験が大きく変わるため、私たち運営チームは細心の注意を払ってロケーションを選びました。

以下は、ロケーションハンティングの過程とその結果についてのレポートです。

候補地選定の基準

まず、候補地を選定する際には以下の基準を設定しました:

  1. 自然の美しさ:四季折々の風景が楽しめる場所。
  2. 静寂な環境:都市の喧騒から離れ、心静かに煎茶を楽しめる環境。
  3. アクセスの良さ:参加者が無理なくアクセスできる場所。
  4. 設備の充実:お茶会に必要な設備が整っているかどうか。

ロケーションハンティングの過程

1. 候補地のリサーチ

インターネットや過去のイベントの実績を基に、まずは候補地をリストアップしました。神社や寺院の境内、自然公園、歴史的建造物の庭園など、様々な場所が候補に上がりました。それぞれの場所の公式ウェブサイトを確認し、写真や施設情報を収集しました。

2. 現地視察

リストアップした候補地を実際に訪問しました。以下は訪問した主な候補地とその評価です。

A寺院

  • 評価:★★☆☆☆
  • 特徴:庭園に美しい池があり、四季折々の花々が楽しめる。特に春の桜と秋の紅葉が見事。
  • アクセス:自家用車でのアクセスが必須。
  • 設備:広い茶室があり、参加者がゆったりと座れるスペースが確保できる。

B自然公園

  • 評価:★★★☆☆
  • 特徴:自然豊かな公園で、野鳥のさえずりが心地よい。広い芝生エリアがあり、屋外での茶会に最適。
  • アクセス:都市部から少し離れているため、自家用車でのアクセスが推奨。
  • 設備:屋外のため、天候に左右される点が懸念材料。

C歴史的建造物の茶室と庭園

  • 評価:★★★★☆
  • 特徴:歴史的な雰囲気が漂い、煎茶道の文化と相性が良い。古木や石庭が美しい。
  • アクセス:駅から徒歩10分程度で徒歩圏内
  • 設備:立礼・座礼の茶室があり、庭園もある。
3. 最終選定

現地視察の結果、C歴史的建造物の茶室と庭園を最終的な開催地として選定しました。この場所は自然の美しさ、静寂な環境、アクセスの良さ、設備の充実度の全てにおいて高評価を得ました。また、管理スタッフも協力的で、お茶会の開催に対する理解と協力を快諾していただきました。

ロケーションの準備

最終選定後、C歴史的建造物の茶室と庭園でのお茶会開催に向けて準備を進めました。まずは会場レイアウトを決定し、必要な道具や設備のリストアップを行いました。また、参加者が快適に過ごせるよう、イスやテーブルの配置、飲料水やトイレの案内など細部にわたって計画を立てました。

床の間の確認

茶会の中心になるのは床の間です。

床の間は日本建築の特徴の1つで、掛軸やお花などを飾りお客様をもてなす美術展示スペースです。

手前座の位置確認

お手前をする場所、つまり”手前座”の位置も確認します。

この手前座を基点として、茶室の構成をデザインします。

今回は春先で庭の緑が綺麗に見える季節だったので、茶会の最中も庭が見える立礼茶室を選択しました。

茶花の確認

会場のロケハンが終わったら、収集した情報をもとにお茶会のテーマ設定を行います。

依頼された内容と、今回の茶室や庭園といった環境情報をもとに考えます。

テーマが決まったら、当日のお花のイメージも整えておきます。

まとめ

ロケーションハンティングは煎茶道のお茶会イベントの成功に欠かせない重要なステップです。私たち運営チームは、参加者に最高の体験を提供するために、最適な場所を選ぶことに全力を尽くしました。C歴史的建造物の茶室と庭園でのお茶会が、参加者の心に深く刻まれる素晴らしいイベントになることを確信しています。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶道講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。