【事例】煎茶道体験・煎茶道サロン|オフィスビルの一室
お茶会の概要
会場:近代的ビルの一室
お茶会名:おおさき茶論
テーマ:杜源郷
お茶会準備のプロセス
1. 企画段階
イベントの成功を確実にするためには、企画段階からの緻密な計画が不可欠です。最初に、イベントの目的とテーマを明確にしました。煎茶道の伝統を尊重しつつ、参加者にとって新鮮で興味深い体験を提供することを目指しました。
次に、対象となる参加者層を定めました。煎茶道に興味のある一般の方々から、より専門的な知識を持つ方々まで幅広く集客することを考慮し、宣伝戦略を立てました。
2. ロケーション選定
ロケーションの選定は、イベントの雰囲気を大きく左右します。選定の際には、アクセスの良さを最重視し、どんな空間で対応できる煎茶道の汎用性の高さを信じて、近代ビルの一室をレンタルしました。
3. 広報活動
広報活動は、イベントの成功に向けた重要な要素です。SNSや地域のコミュニティ掲示板を活用し、煎茶道の魅力やイベントの詳細情報を発信しました。また、関係者や地元紙やWEBメディアへの告知を通じて、広く認知を広める努力をしました。
お茶会当日の運営
開催準備と受付
お茶会当日は、早朝から会場の設営を行いました。受付エリアは、参加者がスムーズに入場できるように複数のスタッフを配置し、サインインシートと参加者名簿を用意しました。受付のスタッフは、参加者一人一人に丁寧に対応し、お茶会のプログラムと注意事項を説明しました。
手前座の披露
お茶会の進行は、事前に設定したタイムテーブルに沿って進めました。まず、開会の挨拶を行い、煎茶道の基本的な説明とその歴史について紹介しました。続いて、煎茶道のお手前を行い、参加者に煎茶道の技法とお手前の流れを見てもらいました。
地域と関連した日本茶文化のお話
今回の設えのテーマは「杜源郷(とうげんきょう)」です。
煎茶道を通じて大崎市の文化を紹介しようという思いから、このテーマを設定しました。テーマには以下の3つのポイントがあります。
- 杜の都「仙台」のベースとなった街であること
- 生態系にとって理想的な環境であること
- 農耕文化が形になった酒蔵の杜氏にとっての理想郷であること
私が考える大崎市の最大の魅力は、人間と自然が共生する文化を持っている点です。それを一言で表すと、「杜源郷」であり、桃源郷でもあります。
急須には、「杜源郷」で遊ぶ唐子のデザインを施しました。これは、子供が安全に元気よく楽しめるユートピアを象徴しています。
また、煎茶碗には不老不死の秘薬「桃」をデザインしました。テーマ「桃源郷」を「杜源郷」に変え、実際の桃の代わりにお客様にお配りした煎茶碗に桃のイメージを移しました。お茶を桃の雫に見立ててお楽しみいただきました。
煎茶道体験セッション
お手前後には、参加者自身が煎茶を淹れる体験セッションを設けました。スタッフは一人一人にアドバイスを行い、正しい手順を伝えました。このセッションでは、参加者の笑顔や感謝の言葉が多く寄せられ、非常に満足度の高い時間となりました。
お茶と和菓子 – 落雁の魅力
今回の茶会では、お菓子として「落雁」を用いました。落雁は、砂糖と小麦を固めたもので、小麦に含まれる黒い斑点が雁が飛来している様子に見えることから、その名が付けられています。このお菓子は、茶会のテーマと完璧に調和し、参加者からも高い評価を得ました。
特に、屏風絵が「落雁図」でもあったことから、その意図をお菓子にも反映させました。落雁の美しい形状とその由来は、煎茶道の静かで深い美しさと相まって、参加者にとって特別な体験となりました。
懇親会と閉会
イベント終了後には、軽食とお茶を楽しむ懇親会を開催しました。ここでは、参加者同士の交流の場を提供し、煎茶道に関する質問や感想を交換する時間を設けました。スタッフは、参加者とのコミュニケーションを大切にし、より深い交流ができるよう心掛けました。
振り返りと改善点
1. 成功点
- スムーズな運営: 事前の準備とタイムテーブルの徹底により、イベントはスムーズに進行しました。参加者からは、運営が非常に良かったという評価をいただきました。
- 高い満足度: 地域と関連した煎茶道のお話と煎茶道体験セッションが特に好評で、参加者からのフィードバックも非常にポジティブでした。
2. 改善点
- 受付の混雑: 一部の時間帯に受付が混雑し、待ち時間が発生しました。次回のイベントでは、受付スタッフの配置をさらに工夫し、よりスムーズな対応を心掛けたいと思います。
- 音響設備: 一部の参加者から、講演時の音声が聞き取りにくかったという意見がありました。次回のイベントでは、音響設備のチェックをより丁寧に行い、音質の向上に努めます。
結論
煎茶道のお茶会は、準備から当日の運営まで、各方面での努力が実を結び、大変成功を収めることができました。参加者からのポジティブなフィードバックと、お茶会全体の雰囲気を通じて、地域の魅力を多くの人に伝えることができたと感じています。今後もこの成功を踏まえ、更なる改善と充実したお茶会運営に努めていきたいと思います。
投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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