初心者でも分かる男性の着物の着方を解説!男の帯結びのやり方やどっちが前(上)か、帯や腰紐を締める位置も紹介
着物は日本の伝統衣装として、男性も女性も着る機会がある特別な装いです。しかし、着物の着方は独特で、慣れないうちは難しく感じることもあるでしょう。特に男性の着物はシンプルな分、細部に注意が必要です。本記事では、初心者でも分かりやすいように、男性の着物の基本的な着方、帯結びのやり方、帯や腰紐の締め方を詳しく解説します。
着物を着る際は合わせてこちらの記事もご覧ください。
着物の基本:どっちが前(上)?
着物を着る際、最初に覚えておきたいのが「どちらが前(上)か」ということです。男性の着物も女性の着物と同様、基本的に 「左前」 に着ます。
- 左前:左側の前身頃を右側の前身頃の上に重ねます。これは、生きている人が着る着方で、正しいマナーです。
- 右前:右前は亡くなった人が着る着方であり、縁起が悪いとされるため、絶対に避けましょう。
男性着物の着方:ステップごとに解説
ここでは、男性着物の基本的な着方を、ステップごとに説明します。
- 肌襦袢(はだじゅばん)と足袋(たび)を着用
- まずは肌襦袢を着て、足元には足袋を履きます。これは、直接肌に着るインナーの役割で、着物が汚れないようにするためです。
- 着物を羽織る
- 着物を肩にかけ、左右の前身頃を合わせます。ここで「左前」に注意し、左側を右側の上に重ねます。袖を通したら、肩のラインや襟元を整えてください。
- 腰紐で固定する
- 腰紐を用意し、ウエストの位置に紐を巻いて固定します。この腰紐で着物がしっかり体にフィットするように調整します。腰紐がゆるいと着崩れしやすいので、しっかりと締めることがポイントです。
- 衿合わせを整える
- 着物の衿元を整え、左右対称にします。襟元は開けすぎず、首元に適度な余裕を持たせましょう。男性の着物は襟を詰めることが一般的です。
男性の帯結び:簡単な方法を解説
男性の帯結びは女性に比べてシンプルで、代表的な結び方に「貝の口(かいのくち)」があります。初心者でも簡単に結べるので、ここでは貝の口の結び方を紹介します。
- 帯の準備
- 帯を腰に巻く際、帯の端を45cm程度残しておきます。この部分を「垂れ(たれ)」と呼び、結び目を作る際に使用します。
- 帯を腰に巻く
- 帯をウエストの位置に巻きつけます。帯が体にしっかりフィットするように、きつめに巻いていきましょう。
- 帯の結び方
- 帯を腰に一周巻いたら、残しておいた「垂れ」ともう一方の帯を交差させます。垂れを上から通し、結び目を作り、「貝の口」の形に整えます。最終的に結び目が小さく、すっきりとした形になるよう調整してください。
- 帯を固定する
- 結び目がしっかりできたら、帯を整えて、ウエストにフィットさせます。貝の口は背中に来るようにし、正面から見てもすっきりしたシルエットになるよう意識しましょう。
帯や腰紐を締める位置
帯や腰紐の締める位置は、着物の着こなしに大きく影響します。以下に、正しい位置とポイントを解説します。
- 腰紐の位置:腰紐はウエストの少し上、腰骨のあたりに巻くのが基本です。腰紐が低すぎると着崩れしやすくなるので、しっかりと締めましょう。
- 帯の位置:男性の場合、帯はウエストの高さで結びます。帯をあまり高く締めると見た目がアンバランスになるので、腰の位置にしっかりとフィットさせることがポイントです。
綺麗に着こなすコツ
男性の着物を美しく着こなすためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 姿勢を正す
- 着物を着ているときは、常に姿勢を意識しましょう。背筋を伸ばし、猫背にならないように気をつけることで、シルエットが美しくなります。
- 帯の締め方
- 帯はきつすぎず、ゆるすぎないように締めます。結び目がしっかりしていないと、動いたときに帯が緩んでしまうため、結び目は確実に作りましょう。
- 着崩れ防止
- 腰紐や帯をしっかりと締めておくことで、動いても着崩れしにくくなります。着物の裾が広がらないように、動作時も注意が必要です。
- 着付け後のチェック
- 着物を着た後は、鏡で全体のバランスを確認しましょう。特に襟元や帯の位置、袖の長さが左右対称になっているかを確認することが大切です。
まとめ
男性の着物の着方は、基本的なルールを押さえておけば初心者でも美しく着こなすことができます。着物は必ず「左前」に着ることを忘れずに、腰紐や帯を正しい位置に締めることで、シルエットが整い、着崩れしにくくなります。今回紹介した帯結びの「貝の口」は、初心者におすすめの結び方なので、ぜひ挑戦してみてください。
投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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