華道・生け花の基本的な生け方「自由花」

おうちで華道

現代の華道や生け花は、今までの「住空間の中で鑑賞するもの」という楽しみ方以外に、イベント空間やステージショー、店頭で目を引くPOPなどを演出する飾りとしても活用されるようになってきました。
今までの畳や花台の上で鑑賞するための生け方に加え、不特定多数の人の目を引く、大胆で自由な形をつくることのできる自由花は、伝統的な華道の流派でも多く取り入れられているようです。

その名の通り「自由花」ですが、根本には”美の型”があり、その”美の型”を理解するには、自由花ができた歴史は背景を理解する必要があります。こちらの記事では、自由花の概要や歴史、背景を説明していきます。以下のような方におすすめの記事です。

  • 華道や生け花に興味のある方
  • お花が好きな方
  • お花を活用した空間デザインに興味のある方

華道についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

自由花とは

自由花とは、華道の3つある生け方の1つです。さまざまな空間や場所を彩るために、華道発祥の池坊がつくった型です。

定まった型はなく、草木の形状や質感にも目を向けながら文字通り自由にいける様式で、幅広い表現が可能です。

自由花(じゆうか) | いけばなの根源 華道家元池坊  

自由花の特徴

華道の生け方には、生花立花自由花とあります。自由花の特徴は、生花や立花がもつ型にとらわれない自由に生けることを目的とした自由度の高さにあります。

草木の美を様々な観点から見出し、360度どこから鑑賞しても美しい生け花を作り出します。

自由花の歴史

自由花の歴史は古く、明治時代以降の、生活様式の西洋化に関連して全国に普及しました。それまでは畳や床の間での鑑賞を軸として美しさの型が考えられてきましたが、西洋化によりテーブルや机など住空間が変化すると、生け花を鑑賞する角度が変わりました。そのため浅い花瓶や投入れ壷にいける”投入”や盤にいける”盛花”といった生け方がうまれ、それが自由花の基礎になっていきます。

詳細は華道・生け花の歴史をご覧ください。

自由花の背景

自由花の誕生した背景には、明治以降の住環境の変化が主な理由です。

参考:「令和2年度 生活文化調査研究事業(華道)報告書」 文化庁地域文化創生本部事務局

自由花の作品例

自由花の実際の作品をご紹介します。

本格的な自由花を見たい方は下記のサイトをご覧ください。

いけばなギャラリー | 公益財団法人日本いけばな芸術協会  

華道家の自由花作品例

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。