茶道の禅語「掬水月在手」とは?掛軸の意味、読み方、由来を解説

茶道の禅語「掬水月在手」とは?掛軸の意味、読み方、由来を解説
茶道の禅語「掬水月在手」とは?

掬水月在手の読み方

掬水月在手は「みずをきくすればつきてにあり」と読みます。

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掬水月在手の意味

掬水月在手の意味は、直訳すると、良い結果を得るには、自ら動き、実行しなくてはならない、ということになります。

月とは自分が欲しい結果で、その良い結果を手に入れるには水を掬う(=自ら動く)ことをしなくてはならない、ということ理解ができます。

また、あなたは水を掬う(=自ら動く努力)をしたので、月(自分が欲しいと願っていた結果)を手に入れることができた、という教えにもなります。 

また掬水月在手に続く語句に弄花香満衣(ろうかこうまんい)があります。これは直訳すると、花を弄んでいると(花を摘んだり、いけたりする)自分の衣が香りで満たされて、いつまでも香りが良い、となります。禅語ですので様々な解釈ができますが、例えば、良い環境にいると良い影響を受ける。努めて良い友、良い師につくよう、良い環境に身を置いたほうが良い」という理解もできます。

掬水月在手の由来

掬水月在手の由来は、唐代の詩人・宇良史(うりょうし)の著である「春山夜月」の詩の一説にあります。

春山夜月には、「掬水月在手 弄花香満衣」とあります。

掛軸「掬水月在手」をつかう時期・季節

掛軸「掬水月在手」をつかう時期・季節は、月が美しく見える9月になります。

茶道煎茶道の茶席では、9月10月は、月にちなんだ道具が多くなり、床の間を見ると「掬水月在手」をよく見かけます。

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投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。