歳寒三友を初心者でも分かりやすく解説!意味や松竹梅の由来、雪中四友や歳寒仙侶、歳寒二友との違いも紹介!

歳寒三友とは?

歳寒三友(さいかんさんゆう)とは、厳しい冬にも変わらず青々とした姿を保つ3つの植物、すなわちを指します。これらは、中国の古代から「友」として称えられており、特に寒い冬に変わらず美しさや強さを示すことから、友情や不屈の精神の象徴として古くから崇められています。寒さが厳しい中でも枯れないことから、「寒さに耐える友達」といった意味で「歳寒三友」という名前がつけられました。

松竹梅の由来

それでは、なぜ「松」「竹」「梅」が歳寒三友として選ばれたのか、各植物の特徴と由来について説明します。

  1. 松(まつ)
    松は一年中緑を保つ常緑樹であり、冬の厳しい寒さにも耐えてその姿を変えないことから、長寿や不屈の象徴とされています。また、松はその頑丈な幹と強い根で風雪にも耐え、古くから中国や日本で生命力のシンボルとして敬われています。
  2. 竹(たけ)
    竹は成長が早く、非常に柔軟でありながら折れることなく強風や寒さに耐えます。竹のしなやかさは、柔軟性を持ちながらも芯の強さを持つ人間の理想像として例えられます。竹はまた、節のある形から「節を守る」という意味が込められており、忠誠や誠実さの象徴でもあります。
  3. 梅(うめ)
    梅は、寒い冬が終わりを迎える頃、他の花に先駆けて美しい花を咲かせます。そのため、逆境に負けずに美しさを保つ象徴とされ、希望や新しい始まりを意味します。また、梅の花の香りは清廉さを表し、純粋さの象徴としても愛されてきました。

このように、松竹梅はそれぞれが強さ、しなやかさ、そして希望を象徴し、それが「歳寒三友」として人々に尊ばれる由来です。

松竹梅の文化的背景

歳寒三友の概念は、古代中国の文人や詩人に愛され、日本にも伝わりました。特に、禅の教えや武士道とも関連が深く、逆境の中で変わらぬ精神を持つことの重要性を説いています。

また、日本では松竹梅は縁起物としても扱われ、お祝いごとの際に登場することが多くなりました。特に、食事や贈り物のランク付けとして、松・竹・梅という階級が用いられることも多く、「松」が最も高級であることを示します。

雪中四友とは?

歳寒三友に加えて、もう一つ関連する概念として「雪中四友(せっちゅうしゆう)」があります。これは、松竹梅に加えて水仙を加えた4つの植物を指します。雪の中でもその美しさを保つ水仙は、厳しい環境の中でも自己を保つ高貴さを象徴し、四季折々の自然との調和を大切にする中国文化において愛されてきました。

歳寒仙侶とは?

歳寒仙侶(さいかんせんりょ)は、松竹梅に「柏(かしわ)」を加えたものです。柏は、秋に葉が落ちることなく次の年の春まで枯れずに残るため、古代より不死や永遠の象徴とされてきました。これにより、歳寒仙侶は不老長寿の願いを込めた表現として使われます。

歳寒二友とは?

歳寒二友(さいかんにゆう)は、松竹梅から「梅」を省いたの組み合わせを指します。この2つの植物は、特に武士道や儒教の影響を受けた文化において強調され、剛健な精神と誠実さを表すものとして理解されています。特に、厳しい環境において変わらぬ美徳を持つ者の象徴として、多くの詩や絵画で取り上げられました。

歳寒三友と儒教・老荘思想との関連

歳寒三友は、儒教や老荘思想とも深く関わりがあります。儒教では、厳しい試練の中でも道徳を守ることが重視され、松や竹のような強い精神が理想とされました。また、老荘思想の自然との調和という考え方にも通じ、自然の中で自己を保つ姿が美徳とされました。

松竹梅はこのように、時代や思想を超えて人々に愛され、尊ばれてきた存在であり、現代でも多くの文化的行事や日常生活に取り入れられています。

まとめ

歳寒三友は、厳しい冬にも屈せず青々とした姿を保つ松・竹・梅の3つの植物を指し、古代から友情や不屈の精神を象徴する存在として崇められてきました。彼らは、儒教や老荘思想、さらには日本の武士道の精神とも深い関連があり、現代においてもその美徳や価値が受け継がれています。また、「雪中四友」や「歳寒仙侶」「歳寒二友」といった関連概念も理解すると、松竹梅の文化的な意義がより深まるでしょう。

自然の厳しさに負けずに美しさを保つ松竹梅のように、私たちも逆境の中でこそ自分の内面を強く保ち、周囲との友情や信頼を大切にしていきたいものです。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶道講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。