2024年「春日若宮おん祭」開催期間や場所、見どころ、行事詳細、駐車場やアクセス情報も解説!

春日若宮おん祭とは?読み方と概要

「春日若宮おん祭(かすがわかみやおんまつり)」は、奈良県奈良市の春日大社で毎年12月に行われる、1000年以上続く伝統的な祭りです。平安時代に始まり、奈良の五穀豊穣、国土安泰、疫病退散を祈願する目的で行われ、現在も多くの人々が参加する大規模な祭事となっています。

「おん祭」は、「おんまつり」と読むのが一般的です。この祭りは、春日大社の若宮神を中心に据えた神事で、奈良の伝統文化や芸能、雅楽がふんだんに取り入れられていることが特徴です。

参考…春日大社「春日若宮おん祭 | 国指定重要無形民俗文化財

2024年の春日若宮おん祭の日時・場所・見どころ

春日若宮おん祭の日時

2024年の春日若宮おん祭も例年通り、12月15日㈰から12月18日㈬までの4日間にわたり開催されます。その中で、特に注目すべき見どころを紹介します。

春日若宮おん祭の場所

春日若宮おん祭は春日大社の摂社若宮神社で開催されます。

所在地:〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160

電話番号:0742227788

春日若宮おん祭の見どころと行事詳細

内容: 若宮神が御旅所から本殿へ戻る神事で、厳粛な雰囲気の中で行われます。

御渡り式(おわたりしき)

日時: 12月17日 正午

場所: 奈良県庁前広場から近鉄奈良駅前、三条通を経て御旅所まで

内容: 芸能集団や祭礼に参加する人々が華やかな風流行列を形成し、若宮神の行宮へと詣でる行列です。馬や奉仕者が約1000人参加し、盛大なパレードとなります。

御旅所祭(おたびしょさい)

日時: 12月17日 午後2時半頃~

内容: 御旅所で行われる神事で、若宮神が一時的に滞在する御仮殿での祭礼が行われます。

宵宮祭(よいみやさい)

日時: 12月16日 午後4時

内容: 大宮と若宮で行われる神事で、若宮御神前に古式のお供えを奉ります。

競馬(けいば)と流鏑馬(やぶさめ)

日時: 12月17日 午後1時頃~午後2時半頃

場所: 一ノ鳥居馬出橋から御旅所前勝負榊まで

内容: 馬上での競馬や弓を射る流鏑馬が行われ、迫力あるイベントです。

還幸の儀(かんこうのぎ)

日時: 12月17日 午後11時頃

参考…奈良市観光協会サイト「長い歴史の中で1度も途切れることなく続く。春日若宮おん祭

御旅所祭の詳細

御旅所祭は、春日若宮おん祭のハイライトの一つとして知られています。12月17日午後2時半から一の鳥居内の御旅所で行われます。御旅所には若宮様の行宮(御仮殿)があり、その前には芝舞台が設けられています。この祭りは古式ゆかしい神事と多彩な芸能が融合した盛大な祭りです。

祭りの開始とともに、左・右の鼉太鼓が打ち鳴らされ、奏楽(十天楽)の中で若宮様にお供え(神饌)が捧げられます。このお供えは「染御供」など古式の珍しいもので、宮司が御幣を捧げ、祝詞を奏上します。その後、各種団体の代表や大和士などの拝礼が行われます。

午後3時半頃からは神楽や田楽、細男、猿楽(能楽)、舞楽など、さまざまな芸能が奉納され、午後10時半過ぎまで続きます。これらの芸能は、平安時代から続く伝統的なもので、その優雅で華やかな演技は圧巻です。御旅所祭は、生きている芸能の歴史を目の当たりにする貴重な機会です。

春日若宮おん祭の歴史

春日若宮おん祭は、平安時代末期の1136年に始まりました。当時、奈良の領主であった平重衡が、飢饉や疫病の蔓延を鎮めるために祭りを始めたとされています。この祭りは、春日大社に祀られている若宮神を中心とする信仰に基づいており、今日に至るまで1000年以上も続いています。

平安時代以降、この祭りは奈良の民衆や武士、貴族たちによって支持され、奈良の歴史と文化に根付いてきました。明治以降も多くの人々に受け継がれ、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

春日若宮おん祭の特徴

春日若宮おん祭の最大の特徴は、その多彩な伝統文化と芸能が一堂に会することです。雅楽や舞楽、田楽、さらには能楽といった日本の古典芸能が奉納され、壮大な祭事の中で披露されます。特に、「お渡り式」と「御旅所祭」での芸能奉納は、多くの観客が楽しみにしている場面です。

また、この祭りでは歴史的な衣装や道具がふんだんに使われており、平安時代の貴族や武士の姿を目の当たりにすることができます。鎧や刀剣、豪華な衣装はそのまま歴史の博物館のようで、文化的な価値が高いとされています。

春日若宮おん祭で使われる楽器

春日若宮おん祭では、古代から伝わる楽器が使用され、雅楽や舞楽が奉納されます。以下に、主に使用される楽器を紹介します。

笙(しょう)

「笙」は、雅楽で使われる代表的な楽器です。17本の竹管からなるこの楽器は、天界の音色を表現すると言われ、神聖な場面でよく演奏されます。笙の澄んだ音色は、祭りの荘厳な雰囲気を引き立てます。

龍笛(りゅうてき)

「龍笛」は、横笛の一種で、古代中国から伝わった楽器です。龍笛の音は、天を舞う龍の如く高く、神秘的な雰囲気を醸し出します。

太鼓

「太鼓」は、古代の祭りに欠かせない楽器です。春日若宮おん祭では、大型の太鼓が打ち鳴らされ、その響きが神事全体に力強さと威厳を与えます。特に「お渡り式」では、太鼓のリズムが神輿の動きを盛り上げます。

駐車場とアクセス情報

春日大社への最速アクセス方法については下記の記事もご覧ください。

アクセス:

  • 公共交通機関:
    • 近鉄奈良駅から徒歩約15分
    • JR奈良駅から徒歩約30分

駐車場:

  • 春日大社周辺にはいくつかの有料駐車場があり、祭り期間中は混雑が予想されるため、公共交通機関の利用をおすすめします。

まとめ

2024年の「春日若宮おん祭」は、12月15日から18日まで開催されます。古式ゆかしい行事や華やかな行列、迫力ある競馬や流鏑馬など、見どころが満載です。奈良市の歴史と文化を感じるこの祭りにぜひ参加してみてください。祭りの期間中は多くの参拝者で賑わいますので、アクセスや駐車場の情報を参考に、スムーズに参加しましょう。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。