煎茶道のお茶会運営レポート:伝統と和の心を繋ぐ一日
お茶会の概要
会場:宮城県北随一の茶室である「祥雲閣」
お茶会名:おおさき茶論
テーマ:杜源郷
開催準備:こだわりの設営
五月の爽やかな風が吹き抜ける中、私たちは煎茶道のお茶会を開催いたしました。会場は都会の喧騒から離れた静寂な庭園。ここは訪れる人々に心の安らぎと日本の伝統美を感じてもらうための特別な場所です。
お茶会の成功は事前準備にかかっていると言っても過言ではありません。私たちは早朝から会場の設営を開始しました。まず、庭園の手入れを徹底的に行い、落ち葉やゴミひとつない清潔な状態に整えました。次に、茶席の配置を慎重に行い、訪れる方々が自然と流れるように移動できるよう工夫しました。
今回使用させていただいたのは「立礼茶室」拙い字ですが「おおさき茶論」の茶旗を作り、受付に置きました。
茶室内では、参加者が心地よく過ごせるよう、座布団や掛け軸、花器の配置に細心の注意を払い、全体の雰囲気を和らげるために、季節の花を生けました。煎茶道においては、細部へのこだわりが全体の美しさを引き立てる重要な要素となります。
お迎えの心:温かいおもてなし
参加者が到着すると、私たちは笑顔で迎え、丁寧にお茶会の流れを説明しました。初めて参加される方も多く、リラックスして楽しんでいただけるように心がけました。お茶会の趣旨や煎茶道の歴史、そしてその魅力について簡単にお話しすることで、参加者の興味を引き出しました。
お茶のひととき:心を込めた一服
おおさき茶論での設えのテーマは「杜源郷(とうげんきょう)」
仙人が住む、お花畑が永遠と続くような理想郷をイメージしてお席を作りました。
お茶席では、煎茶道の作法に従い、丁寧にお茶を点てました。使用する茶器やお湯の温度、茶葉の選び方など、一つひとつにこだわりを持って準備しました。
参加者が一服のお茶を口にする瞬間、その笑顔を見ることができた時は、運営者として最大の喜びを感じました。
また、お茶と一緒に提供するお菓子も季節感を大切にし、見た目だけでなく味でも楽しんでいただけるよう工夫しました。甘さ控えめの和菓子は、お茶の風味を一層引き立て、参加者からも大変好評でした。
交流の場:和やかな対話
お茶会の後半には、参加者同士の交流の時間を設けました。
煎茶道についての質問や感想を自由に語り合うことで、和やかな雰囲気が生まれました。
お客様からの質問も頂きました。
「茶道との違いは何ですか」
「どんな茶葉を使っているんですか」
「おおさき茶論ってなんですか」
多くの方が煎茶道の奥深さに触れ、その魅力を再認識する機会となったことを嬉しく思います。
終了後の感想:新たな魅力の発見、地元を見直す機会の創出
お茶会の終了後、参加者からは「心が洗われるような時間だった」「煎茶道の美しさに感動した」といった感想が寄せられました。
私たち運営者にとって、これらの声は次回のイベント開催に向けての大きな励みとなります。
祥雲閣のスタッフさんから「午後の部もされたら良かったのに」とおススメされました。
また、参加者同士が新たな繋がりを持ち、煎茶道を通じてさらに交流が深まることを期待しています。
振り返りと次への準備
今回のお茶会を通じて、私たちは多くの学びを得ました。特に、細部へのこだわりと参加者への心配りの重要性を再確認することができました。次回の開催に向けて、さらなる改善点を見つけ、より良いお茶会を提供できるよう努力してまいります。
煎茶道のお茶会は、単なるイベントではなく、日本の伝統と和の心を次世代に繋ぐ重要な機会です。これからも、参加者一人ひとりにとって特別なひとときとなるよう、心を込めてお茶会を運営していきます。
投稿者プロフィール
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宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。