椿餅とは?歴史や読み方、京都の有名店、レシピを紹介!

椿餅(つばきもち)は、京都を中心とした和菓子の一種で、優雅な見た目と独特の風味から長い歴史の中で愛され続けています。その名の通り、椿の葉で包まれた餅であり、古くから日本の茶会やおもてなしの場に登場してきました。本記事では、椿餅の歴史や読み方、京都で有名な店、そして自宅で作れるレシピについて詳しく紹介していきます。

椿餅の歴史

椿餅の歴史は非常に古く、平安時代にまで遡ります。『源氏物語』や『枕草子』などの古典文学にも登場し、貴族の間で特に親しまれたと言われています。元々は、餅を椿の葉で包むことで保存性を高めるために生まれたとされますが、次第にその風味と見た目の美しさが評価され、茶会や宴席での高級な和菓子として定着していきました。

椿餅は、自然の美しさを感じさせる点でも日本文化を象徴しています。椿の葉には抗菌作用があるため、餅を包むことで衛生的に保存できるという実用的な利点もあり、これが広く用いられる理由の一つとなっています。

椿餅の読み方

椿餅は「つばきもち」と読みます。漢字で書くと少し難しく感じますが、椿(つばき)は日本を代表する花の一つであり、冬から春にかけて咲く美しい花として親しまれています。餅(もち)は日本の伝統的な食べ物で、祭事や祝い事には欠かせない存在です。この「椿」と「餅」の組み合わせが、古来より和の風情を表現しています。

京都の有名店

京都には、椿餅を提供する老舗の和菓子店がいくつか存在します。ここでは、椿餅を味わうことができる京都の名店を紹介します。

1. 下鴨神社・加茂みたらし茶屋

下鴨神社の近くにある「加茂みたらし茶屋」は、古くから地元の人々や観光客に愛されてきた茶屋です。ここでは、季節限定で椿餅を提供しており、しっとりとした餅と上品な甘さの餡が特徴です。神社参拝の際に立ち寄ることができ、静かな庭園で風情あるひと時を楽しめます。

所在地:〒606-0816 京都府京都市左京区下鴨松ノ木町53

営業時間:9時30分~19時00分

定休日:水曜日

2. 鶴屋吉信

京都を代表する老舗和菓子店「鶴屋吉信」では、季節に合わせたさまざまな和菓子が提供されますが、椿餅もその一つです。ここでの椿餅は、職人の技が光る繊細な仕上がりで、特に茶席でのおもてなしに最適です。

所在地:〒602-8434 京都府京都市上京区西船橋町340−1 1階

営業時間:9時00分~18時00分

定休日:水曜日

3. 鍵善良房

八坂神社近くに位置する「鍵善良房」は、江戸時代から続く名店です。ここでは、伝統を守りながらも現代風にアレンジした和菓子が楽しめます。椿餅は季節ごとに提供され、美しい見た目と上質な味わいで多くの人々に愛されています。

所在地:〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側264

営業時間:9時30分~18時00分

定休日:月曜日

椿餅のレシピ

自宅でも簡単に椿餅を作ることができます。以下は、伝統的な椿餅のレシピです。

材料(4個分)

  • もち粉:100g
  • 水:100ml
  • 砂糖:大さじ2
  • あんこ(こしあん):100g
  • 椿の葉:4枚

作り方

  1. もちを作る
    もち粉に水を少しずつ加え、ダマにならないようによく混ぜます。次に砂糖を加え、さらによく混ぜ合わせます。
  2. 蒸す
    蒸し器に混ぜたもち粉の生地を入れ、中火で15〜20分蒸します。生地が半透明になったら蒸し上がりです。
  3. あんこを包む
    蒸し上がったもちを取り出し、手で4等分に分けます。もちを手で平たく伸ばし、こしあんを包み込みます。
  4. 椿の葉で包む
    仕上げに、椿の葉で包み、風味を加えます。椿の葉は一度湯通ししておくと、より扱いやすくなります。
  5. 完成
    そのまま少し冷ましてからお召し上がりください。椿の葉の香りが餅に移り、上品な風味を楽しめます。

まとめ

椿餅は、平安時代から続く日本の伝統的な和菓子であり、椿の葉で包まれた独特の風味と美しさが魅力です。京都には、椿餅を提供する有名店が多くあり、観光の際にはぜひ立ち寄りたい場所です。また、自宅でも簡単に作れるレシピを参考に、和の趣を感じる椿餅を楽しんでみてください。椿餅は、見た目だけでなく、古来より続く風情や実用性も兼ね備えた和菓子です。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶道講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。