ぜんざいとお汁粉の違いとは?なぜ塩昆布?沖縄のぜんざいや京都の名店、レシピを紹介!

ぜんざいとお汁粉の違いとは?

「ぜんざい」と「お汁粉」は、どちらも甘い小豆のデザートで、和菓子の代表的な商品です。しかしその違いを明確に理解している人は意外と少ないかもしれません。地域や文化によって呼び方が異なることがあるため、混乱しやすい点です。

  • ぜんざい
    ぜんざいは、粒あんを使った甘い小豆のスープです。基本的には、小豆を炊いたものに甘みを加えたものに、お餅白玉を入れて食べます。ぜんざいの特徴は、小豆の粒がしっかりと残っていることです。関東では、ぜんざいをあまり食べる文化がないため、粒が残るタイプのものを「田舎汁粉」と呼ぶこともあります。
  • お汁粉
    お汁粉は、こしあんを溶かした滑らかなスープです。こちらも、お餅や白玉を添えていただきます。お汁粉は、ぜんざいに比べて小豆がしっかり潰れているため、滑らかでさらりとした食感を楽しめます。こしあんを使うので、見た目もやや透き通ったスープのようになります。

さらに、関東と関西では呼び方が逆になることもあります。関東では、「お汁粉」が主に用いられ、ぜんざいは粒あんのものを指すことが多いのに対し、関西では、粒あんで作るものを「ぜんざい」と呼び、こしあんのものは「汁粉」と呼び分けます。

なぜぜんざいに塩昆布を添えるのか?

ぜんざいを食べる際に、なぜか塩昆布が一緒に出てくることがあります。この組み合わせには、甘さを引き立てる役割があるからです。

甘いぜんざいやお汁粉を食べ続けると、口の中が甘みでいっぱいになります。このとき、塩昆布を一緒にいただくことで、塩気が甘さを和らげるだけでなく、甘さを再び感じやすくする効果があります。塩昆布の塩味がアクセントとなり、ぜんざいやお汁粉の味わいが一層引き立ち、最後まで美味しく食べることができるのです。

この甘味と塩味の絶妙なバランスは、和食ならではの味覚体験であり、ぜんざいやお汁粉に塩昆布を添えるのは日本の食文化の特徴的な部分でもあります。

沖縄のぜんざい

ぜんざいと言えば、沖縄のぜんざいも有名です。本州のぜんざいとは少し異なり、冷たいぜんざいとして食べられることが多いです。沖縄のぜんざいは、金時豆や大納言をたっぷりと使い、そこにかき氷をのせて食べるスタイルが一般的です。

沖縄の気候に合わせた冷たいスイーツとして親しまれており、特に夏場には涼を取るために人気があります。小豆の甘みと、かき氷のさっぱりとした冷たさの組み合わせが絶妙です。沖縄では、冷やしたバージョンのぜんざいにかき氷を乗せるスタイルを「沖縄ぜんざい」と呼び、観光客にも地元民にも愛されています。

沖縄ぜんざいの名店
  • 富士家
    沖縄のぜんざいといえば「富士家」が有名。甘さ控えめの金時豆がたっぷり入り、ふわふわのかき氷と絶妙な相性です。沖縄を訪れた際は、ぜひ立ち寄りたい名店です。

京都の名店とぜんざい

ぜんざいは、京都の老舗和菓子店でも冬を代表する甘味として人気があります。京都のぜんざいは、上質な小豆を使い、甘さ控えめで上品な味わいが特徴です。

1. 祇園小石

京都・祇園にある老舗和菓子店「祇園小石」では、ぜんざいやお汁粉を贅沢に味わうことができます。特に、抹茶と一緒にいただくと、一層深い甘味が引き立ちます。

2. 鍵善良房(かぎぜんよしふさ)

江戸時代創業の老舗、鍵善良房は、伝統的な和菓子の名店としても知られています。こちらでは、上品な小豆を使った甘さ控えめのぜんざいが楽しめます。

ぜんざいのレシピ

ぜんざいは、家庭でも簡単に作ることができる和菓子です。ここでは、基本的なぜんざいのレシピをご紹介します。

材料(2人分)

  • 小豆 100g
  • 砂糖 80g
  • 水 500ml
  • 塩 少々
  • 餅 2個(白玉団子でも可)

作り方

  1. 小豆を水で軽く洗い、鍋に入れてたっぷりの水で煮ます。最初の煮汁は捨て、再度水を加えて弱火で柔らかくなるまで煮ます(約1時間)。
  2. 柔らかくなったら、砂糖を加え、さらに煮詰めます。砂糖が溶けたら、少し塩を加えて味を調えます。
  3. お餅や白玉団子を焼いておきます。
  4. 器に餅や団子を入れ、その上に小豆の煮汁をたっぷりとかければ完成です。

自宅で作るぜんざいは、砂糖の量や小豆の固さを好みに合わせて調整できるので、ぜひ自分なりの味わいを楽しんでください。

まとめ

「ぜんざい」と「お汁粉」の違いは、小豆の形状や地域の呼び方に起因するものですが、どちらも日本の伝統的な甘味として愛されています。ぜんざいに塩昆布を添える理由は、甘さを引き立てるためのバランスの工夫であり、沖縄や京都といった地域ごとの特色も楽しめます。特に、沖縄の冷たいぜんざいは夏の風物詩として人気ですし、京都の老舗でいただくぜんざいは、歴史と伝統が感じられる一品です。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。