求肥とは?すはまとの違い、語源、京都の名店、作り方・レシピをご紹介!

求肥(ぎゅうひ)とは?

求肥は、和菓子に使われる餅の一種で、もち米や白玉粉を使って作られる柔らかい餅生地です。一般的には、砂糖と水飴を加えて練り上げることで、しっとりした食感が特徴的です。求肥は、あんこを包んだ和菓子や、フルーツ大福などさまざまな和菓子の素材として使われています。その滑らかで柔らかい質感が、日本の伝統的な和菓子文化において重要な役割を果たしています。

すはまと求肥の違い

求肥とよく比較されるのが「すはま」です。両者はどちらも和菓子に使用される素材ですが、作り方や原材料、食感が異なります。

すはまは、主にきな粉(大豆粉)を使って作られます。水を加えて練ったきな粉に砂糖や水飴を混ぜ合わせて作るため、きな粉の風味が強く、求肥に比べてしっかりした食感があります。一方、求肥はもち米や白玉粉を使い、砂糖と水飴を加えることで、より柔らかくもちっとした食感を持ちます。

つまり、求肥は弾力のある柔らかい生地で、すはまはきな粉の風味が強くてしっとりとした質感が特徴です。用途としても、求肥は餅や大福に使用され、すはまはお団子や小さな菓子の装飾に用いられることが多いです。

求肥の語源

求肥という名前の由来にはいくつかの説がありますが、最も有力なのは、その「柔らかく伸びる」性質に関連する説です。「求肥」の「求」は、古くは「しなやかに曲がる」「柔軟」という意味を持ち、「肥」は「豊かさ」や「満たす」ことを表します。このように、求肥は「柔らかくて豊かな食感を持つ餅」という意味で名付けられたと考えられています。

京都の名店と求肥

求肥は全国で親しまれていますが、特に京都では古くから伝統的な和菓子に使われ、名店も多くあります。京都は和菓子の中心地として知られており、求肥を使用した美しい和菓子が多く見られます。いくつかの名店をご紹介します。

1. 亀屋良長(かめやよしなが)

創業1803年の老舗で、求肥を使った季節の和菓子が人気です。特に「烏羽玉」というこしあんを包んだお菓子は、上品な甘さと滑らかな求肥の食感が特徴です。

所在地: 〒600-8498 京都府京都市下京区柏屋町17−19

電話番号: 075-221-2005

営業時間:9:30~18:00

2. 鶴屋吉信(つるやよしのぶ)

1803年創業の鶴屋吉信は、求肥を使った「京観世」などの伝統的な和菓子で知られています。美しい見た目と、上質な求肥の食感が多くの人に愛されています。

3. 一保堂茶舗

日本茶を提供する茶舗として有名で、抹茶と一緒に楽しむ求肥入りの茶菓子が絶品です。

求肥の作り方・レシピ

求肥は家庭でも簡単に作ることができ、和菓子の材料として応用が効きます。以下は、基本的な求肥の作り方です。

材料

  • 白玉粉(またはもち粉)100g
  • 水 100ml
  • 砂糖 50g
  • 水飴 30g
  • 片栗粉(打ち粉用)

作り方

  1. 白玉粉をボウルに入れ、水を少しずつ加えてよく混ぜます。白玉粉が完全に溶けてなめらかになるまでしっかりと混ぜます。
  2. 鍋に移し、砂糖と水飴を加え、弱火で絶えず混ぜながら練り上げます。全体が透明感を持ち、もちっとしてきたら火を止めます。
  3. まな板に片栗粉を敷き、その上に鍋から取り出した求肥を置きます。熱いうちに、片栗粉をまぶしながら適当な厚さにのばします。
  4. 生地が冷めたら、好きな形に切り分けて、あんこや果物を包むなどして和菓子を作りましょう。

求肥は作り立てが特に美味しいですが、密閉して冷蔵保存すれば、数日間は柔らかさを保つことができます。

まとめ

求肥は、もち米を原料とした柔らかい餅で、和菓子に多く使用される日本伝統の食材です。すはまとは異なる素材や食感を持ち、特に京都では名店が多く、その美味しさと繊細な食感で長年愛されています。自宅で作ることも可能な求肥は、和菓子作りの楽しさを広げてくれる素材です。次回の和菓子作りや、京都旅行の際にはぜひ求肥を楽しんでみてください!

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。