煎茶道具「ボーフラ」とは?材質や原材料、名称を解説

煎茶道具「ボーフラ」とは?

ボーフラとは、煎茶道具の中では珍しい”素焼き”の湯わかしのことです。

別に、湯沸(ゆわかし)、湯銚(とうちょう)、鳴泉(めいせん)、保宇夫良(ボウフラ)とも呼びます。

この珍しい名前の由来は、ポルトガル語で「かぼちゃ(形が丸く似ているため)」という意味だそうです。

ちなみにポルトガル語でカボチャは「Cambodia abóbora」と書き、発音を聞くと「カンボジヤ アボーボラ」と聞こえます。

ボーフラは江戸時代初期に日本に輸入されました。

この後半部分がナマッてこういう道具の名前になったのでしょうか。

煎茶道具「ボーフラ」の特徴とは?

煎茶道具 ボーフラ 保夫良 保富良 保冨良 ぼうふら 湯灌 素焼 白泥

煎茶道具ボーフラの特徴は、見た目と形状にあります。釉薬がかかっていない素焼(すやき)のものが多く、白い陶土を固めた見た目です。またボーフラの形状は、取っ手は横手(よこて)のものと上手(かみて)のものがありますが、横手のもの、つまり、普通の急須に似た形のものが多いようです。

ボーフラの材質や形について解説

日本に横手急須(よこてきゅうす)が多いのは、このボーフラが中国から大量に輸入されていたため、原型になっていると言われています。

素焼きのため、素早く大量生産できたのでしょうか。
素焼きの陶器はこわれやすいものであり、手入れをよくしないと、湯に臭いが出るので注意が必要です。

煎茶道具「ボーフラ」の画像はこちらです。

こちらは素焼きの、横手のボーフラです

煎茶道具の「ボーフラ」についての動画

煎茶道具のボーフラを動画にしてみました。

職人さんによって大きさやフォルムが変わるため、あくまで一例としてご覧ください。

煎茶道具「ボーフラ」の動画

参考 煎茶全書 婦人の友社 昭和49年

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。