十牛図ってなに?
「十牛図(じゅうぎゅうず)」は、禅宗の修行過程を示す10枚の絵で、悟りへの道を牛にたとえています。それぞれの絵には異なる段階が描かれており、精神的な成長や悟りの進展を表しています。以下がその各段階です:
- 尋牛(じんぎゅう):真理を求める旅が始まる。迷いの中で牛(自分自身)を探す過程です。
- 見跡(けんせき):牛の足跡を見つける。真理の兆しを捉え、正しい道に進み始める段階。
- 見牛(けんぎゅう):ついに牛が姿を現す。真理の一端を捉えた瞬間です。
- 得牛(とくぎゅう):牛を捕まえる。欲望や迷いを制御し始めることを象徴しています。
- 牧牛(ぼくぎゅう):牛を馴らす。心を統制し、内面的な調和を進める段階。
- 騎牛帰家(きぎゅうきか):牛に乗って家に帰る。自分の心を完全に制御し、平和な状態に達することを意味します。
- 忘牛存人(ぼうぎゅうぞんじん):牛が消え、自分だけが残る。自己と世界の統一を表す。
- 人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう):牛も自分も忘れる。すべての二元性を超越し、完全な自由に至る。
- 返本還源(へんぽんかんげん):本源に帰る。無我の境地に至り、すべてが空(くう)であることを悟る。
- 入鄽垂手(にってんすいしゅ):悟りを得た者が世俗に戻り、人々を救うために活動する段階です。