香木の種類一覧まとめて紹介

香木(こうぼく)は、燃やすことで芳香を放つ木材のことで、古くから香道や宗教儀式、日常のリラックス目的で使用されています。

以下に、代表的な香木を一覧にて紹介しています。

1. 沈香(じんこう)

沈香は、特定の樹木(アクイラリア属)が傷ついたり、菌に感染することで樹脂が浸透し、長い年月をかけて生成される非常に芳香性の高い香木です。甘み、辛み、酸味、苦味が複雑に混じり合った香りが特徴で、特に香道では珍重されています。産地により「鉄沈」や「伽羅(きゃら)」などの種類に分かれます。

2. 伽羅(きゃら)

伽羅は沈香の最高級品で、香道において特に尊ばれています。甘さと渋みのバランスが絶妙で、他の香木にない複雑で奥深い香りが特徴です。非常に高価で、古くから権力者や高貴な人々の間で愛用されてきました。

3. 白檀(びゃくだん)

白檀はインドや東南アジアを原産とする香木で、甘く滑らかな香りが特徴です。古くから仏教やヒンドゥー教の儀式で使用され、日本でも香木として広く知られています。鎮静効果があるとされ、瞑想やリラックスに使われます。

4. 紅沈香(べにじんこう)

紅沈香は、沈香の中でも特に色が赤みがかったものを指します。重厚で渋みのある香りが特徴で、沈香の一種として珍重されることが多いです。

5. 龍涎香(りゅうぜんこう)

龍涎香は香木ではなく、マッコウクジラの腸内で生成される結石の一種です。強い甘さと独特な香りを持ち、香水や高級香料の材料として利用されています。香木としては非常に高価で稀少です。

6. 桂皮(けいひ)

桂皮はシナモンの樹皮で、シナモンの甘くスパイシーな香りが特徴です。古くから香として使用され、料理や健康にも利用されています。

7. 丁字(ちょうじ)

丁字はクローブのことで、強いスパイシーで甘い香りが特徴です。香木として使われるほか、料理や薬としても広く使われています。

8. 安息香(あんそくこう)

安息香は樹木の樹脂から採取される香料で、バニラのような甘い香りが特徴です。安眠効果やリラックス効果があるとされ、香炉で焚いたり、お香として使われます。

9. 没薬(もつやく)

没薬は中東やアフリカに生息する樹木から採取される樹脂で、やや苦味のあるスモーキーな香りが特徴です。古代エジプトのミイラ作りにも使われており、歴史的にも重要な香料の一つです。

10. カンファー(樟脳:しょうのう)

カンファーはクスノキから得られる香料で、強い清涼感のある香りが特徴です。防虫剤や医薬品にも使われ、香りはリフレッシュ効果があります。

11. 蘇合香(そごうこう)

蘇合香は樹脂から得られる香料で、甘くウッディでバルサミックな香りが特徴です。古代から香料として使用され、特に中東地域で重要視されています。

12. パロサント

パロサントは南米の神聖な木で、「聖なる木」とも呼ばれます。燃やすと柑橘系の甘さとスモーキーさが混ざった独特な香りが広がり、浄化やリラックスのために使用されます。

13. ベチバー

ベチバーは、イネ科の植物の根から取れる香料で、土っぽく、甘いウッディな香りが特徴です。特に香水業界で重要な香料として使われています。

14. フランキンセンス

フランキンセンスは樹脂から得られる香料で、柑橘系のスパイシーでウッディな香りが特徴です。古代から宗教儀式や瞑想で使われ、リラックス効果が期待されています。

まとめ

香木にはさまざまな種類があり、沈香や伽羅、白檀などが特に有名です。それぞれの香木は独自の香りを持ち、香道や宗教儀式、リラクゼーションのために利用されています。香木の香りは精神を落ち着かせる効果があるとされ、古代から現代まで多くの文化で愛されています。

日本では古来より御香として楽しまれてきました。こちらの記事も合わせてご覧ください。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶道講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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