会津塗ってどこで作られてるの?魅力や特徴、輪島塗との違いも解説

はじめに

会津塗(あいづぬり)は、福島県会津若松市を中心に生産される日本の伝統的な漆器です。古くから続くその技法と美しい仕上がりで知られる会津塗は、現在でも多くの人々に愛されています。この記事では、会津塗の歴史、特徴、製作工程、そして購入できる場所について詳しく解説します。

参考…東北経済産業局「福島県・会津塗 |東北の伝統的工芸品ホームページ

会津塗の歴史

会津塗の歴史は約400年前に遡ります。戦国時代の武将、上杉景勝が会津に移封された際に、漆器の製造を奨励したのが始まりとされています。その後、江戸時代には会津藩の保護を受けて発展し、全国にその名を知られるようになりました。特に、会津藩主・松平容保が技術の向上と品質管理に努めたことで、会津塗は一層その評価を高めました。

自分

輪島塗と会津塗の違いは何ですか?

輪島塗と会津塗の違い

輪島塗と会津塗は、どちらも日本の伝統的な漆器であり、それぞれ独自の特徴と歴史を持っています。

輪島塗は、石川県輪島市を中心に生産される漆器で、特に「輪島塗箪笥」が有名です。輪島塗は、黒漆と金箔を使った美しいデザインが特徴で、江戸時代から続く伝統的な技法が使われています。

一方、会津塗は、福島県会津地方で生産される漆器で、会津塗の特徴は、自然の美しさを取り入れたデザインと、地元の素材を活かした技法です。会津塗は、江戸時代に始まり、多くの職人がその技術を受け継いでいます。

会津塗の特徴

会津塗の最大の特徴は、その華やかさと堅牢さです。以下に、会津塗を特徴づける主な要素を紹介します。

1. 豊かな色彩と装飾

会津塗は、漆の美しい光沢と深い色合いが特徴です。黒や朱の漆に加え、金や銀の蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)といった装飾技法が用いられ、豪華で華やかな仕上がりになります。特に、伝統的な模様や自然をモチーフにしたデザインが多く見られます。

2. 高い耐久性

漆器全般に言えることですが、会津塗も非常に耐久性が高いです。漆の塗り重ねによって、傷や湿気に強く、長く使用することができます。これにより、日常使いの器や家具としても人気があります。

3. 多様な製品

会津塗の製品は、食器、家具、文具、装飾品など多岐にわたります。その多様性から、さまざまなシーンで使用され、贈り物としても喜ばれます。

会津塗の製作工程

会津塗は、その美しい仕上がりを実現するために多くの工程を経ています。以下に、主な製作工程を紹介します。

1. 木地作り

まず、器や家具の形を作るために木地を整えます。木地は通常、ケヤキやヒノキなどの硬木が使用されます。木地を整形し、乾燥させることで、丈夫な基礎が作られます。

2. 下地処理

木地に下地を塗る工程です。ここでは、漆とともに砥の粉や米のりを混ぜたものを使用し、木地を均一に整えます。これにより、漆の塗りが滑らかになります。

3. 漆塗り

下地処理が終わった木地に、漆を何度も塗り重ねます。漆の層が厚くなることで、光沢と耐久性が増します。この工程は非常に手間がかかり、職人の技が求められます。

4. 研ぎ出し

漆を塗り重ねた後、表面を研ぎ出して平滑にします。これにより、漆の光沢が一層引き立ちます。

5. 蒔絵や螺鈿の装飾

最後に、蒔絵や螺鈿といった装飾技法を用いて、デザインを施します。金や銀の粉を用いた蒔絵や、貝殻を使った螺鈿で、華やかで美しい模様が作られます。

会津塗の購入場所

会津塗は、その美しさと伝統から、多くの人々に愛されています。購入場所としては、以下のような場所があります。

1. 地元の工房や直売所

会津若松市内には、多くの漆器工房や直売所があります。直接訪れることで、職人の技を間近で見学しながら購入することができます。

2. 専門店

全国の百貨店や伝統工芸品の専門店でも、会津塗を取り扱っています。特に、贈答用としても人気が高いため、さまざまなシーンで活用できます。

3. オンラインショップ

現代では、インターネットを通じて会津塗を購入することも可能です。公式サイトや大手ショッピングサイトで、多くの種類の会津塗が販売されています。

まとめ

会津塗は、その長い歴史と優れた技術により、国内外で高い評価を受けています。美しい色彩と堅牢さを兼ね備えた会津塗は、日常使いの食器や装飾品として、また贈答品としても非常に魅力的です。歴史と伝統を感じながら、ぜひ一度手に取ってみてください。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。