着物の帯の種類とは?帯の結び方も解説!

着物の帯は、日本の伝統的な和装に欠かせないアイテムであり、種類や結び方によって全体の印象を大きく変えることができます。帯にはフォーマルからカジュアルまで様々な種類があり、結び方も多岐にわたります。このコラムでは、帯の種類や基本的な帯の結び方を詳しく解説します。

帯の種類

  1. 袋帯(ふくろおび)
  • 特徴: 帯の裏地部分が二重になっており、最もフォーマルな帯です。結婚式やお茶会などの正式な場で使われます。
  • 用途: 留袖や訪問着などのフォーマルな着物に合わせることが多い。
  1. 名古屋帯(なごやおび)
  • 特徴: 胴に巻く部分が細く、結び部分が幅広くなっている、軽めのカジュアル帯。軽装の場やお出かけ、普段着の着物に合わせやすい。
  • 用途: 小紋や紬、普段着の着物に合わせてカジュアルに着用。
  1. 半幅帯(はんはばおび)
  • 特徴: 帯幅が通常の帯の半分ほどの幅。カジュアルな装いに最適で、軽快で動きやすい。
  • 用途: 浴衣や軽装の着物に合わせる。
  1. 丸帯(まるおび)
  • 特徴: 帯全体が裏表ともに同じ生地で作られており、最も豪華な帯です。昔は結婚式などで使われましたが、現在はほとんど使用されていません。
  • 用途: 一部のフォーマルシーンや特別な儀式で用いられることがある。
  1. 兵児帯(へこおび)
  • 特徴: 柔らかい素材でできたカジュアル帯。簡単に結べて軽い印象を与える。
  • 用途: 浴衣やリラックスした着物スタイルに合わせて使う。

帯の結び方

1. お太鼓結び(おたいこむすび)
  • 概要: 最も一般的な帯の結び方で、フォーマルからカジュアルまで幅広く使われます。主に袋帯や名古屋帯を使って結びます。
  • 手順:
    1. 帯を胴に2周巻きつけ、左側に余った帯を肩にかけます(手先といいます)。
    2. 帯を体の中央で交差させ、余った帯を背中に持っていきます。
    3. 帯を背中で折り返して「お太鼓」の形を作り、帯の下部分を結びます。
    4. 最後に帯締めで固定し、形を整えます。
  • ポイント: 上品で安定感があり、どんなシーンにも使える万能な結び方です。
2. 文庫結び(ぶんこむすび)
  • 概要: かわいらしく華やかな結び方で、主に半幅帯や兵児帯で結びます。浴衣や軽装の着物に合います。
  • 手順:
    1. 帯を胴に2周巻き、帯を背中で交差させます。
    2. 背中の中央でリボンを作るように帯を折り返し、両端を背中の中央で結びます。
    3. 結び目を整え、帯締めや帯揚げで固定します。
  • ポイント: シンプルで初心者にも結びやすく、華やかさを演出できる結び方です。
3. 貝の口結び(かいのくちむすび)
  • 概要: シンプルで動きやすい結び方。男性の帯結びとしても使われますが、女性でもカジュアルな場面で使われます。
  • 手順:
    1. 帯を胴に巻き、余った帯を背中で結びます。
    2. 端を折りたたんで結び目を作り、形を整えます。
  • ポイント: 動きやすく、すっきりとした印象。軽装の際におすすめです。
4. 蝶結び(ちょうむすび)
  • 概要: 華やかで装飾的な結び方。特に半幅帯で使われることが多い。
  • 手順:
    1. 帯を胴に巻き、余った部分で蝶結びを作ります。
    2. 結び目を背中で整え、リボンがしっかりと形作られるように調整します。
  • ポイント: 浴衣やカジュアルな着物にぴったりの結び方です。
5. 片流し結び(かたながしむすび)
  • 概要: 優雅で片側に帯を流すスタイルの結び方。特に袋帯で華やかさを出す際に使われます。
  • 手順:
    1. 帯を胴に巻きつけ、背中の中央で一度結びます。
    2. 片側の帯を折り返し、片方に流す形に整えます。
    3. 結び目を固定し、帯締めや帯揚げで調整します。
  • ポイント: 片側に流れる帯がエレガントな印象を与えます。パーティーや華やかなイベントに適しています。

まとめ

着物の帯は、種類や結び方によって、フォーマルさやカジュアルさを自由にコントロールできる重要なアイテムです。袋帯や名古屋帯といったフォーマルな帯から、半幅帯や兵児帯のようなカジュアルな帯まで、それぞれのシーンに応じた帯を選び、適切な結び方をマスターすることが着物を楽しむポイントです。

また、帯の結び方にも様々な種類があり、シンプルなお太鼓結びから華やかな蝶結びまで、TPOに合わせた結び方を選ぶことが大切です。帯結びをマスターすれば、より一層着物を楽しむことができるでしょう。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。