男の浴衣の着方とは?一人でも簡単に着れる手順や用意するもの、綺麗に着るポイント、簡単な帯の締め方を解説!

浴衣は夏の風物詩として、日本の男性が気軽に着ることができる伝統的な和装です。特に夏祭りや花火大会などで人気があります。一人でも簡単に着れる浴衣の着付け方法をマスターしておくと、ちょっとした外出にも便利です。この記事では、男の浴衣の着方、準備するもの、綺麗に着こなすためのポイント、そして簡単な帯の締め方を詳しく解説します。

着物をちょっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

用意するもの

浴衣の着付けに必要なアイテムを事前に揃えておきましょう。以下のものがあれば、すぐに着付けができます。

  • 浴衣:主役のアイテム。薄くて通気性の良い素材でできています。
  • :浴衣を固定し、装飾的な役割を果たす帯。男性用の帯は主に「角帯」が使われます。
  • 腰紐:浴衣を固定するための紐。通常は1本で十分です。
  • 下駄(げた):浴衣に合わせる伝統的な履物。足元を涼しく見せます。
  • 肌着やステテコ:直接浴衣を着るのが気になる場合、肌着やステテコ(男性用のインナー)を用意しましょう。

男の浴衣の着方:一人でも簡単にできる手順

  1. 肌着を着る
  • 浴衣の下には、肌着やステテコを着ておくと汗を吸収し、快適に過ごせます。浴衣は直接肌に触れることがあるため、汗をかきやすい夏場には肌着があると便利です。
  1. 浴衣を羽織る
  • 浴衣を肩に掛け、左右の前身頃を体に合わせます。ここで重要なのは、女性と同様に「左前」にすること。つまり、左の前身頃を右の前身頃の上に重ねます。「右前」は亡くなった方の着付け方なので、間違えないようにしましょう。
  1. 腰紐で固定する
  • 浴衣の裾(すそ)を床に引きずらないように調整し、腰の位置で固定します。腰のあたりで前後をしっかり揃え、シルエットを整えながら、腰紐を巻いて固定します。この時、ウエストを少しきつめに締めると着崩れしにくくなります。
  1. 帯を巻く
  • 帯を腰に巻く前に、シワやたるみがないか確認し、腰からウエストにかけてしっかりとフィットさせます。帯の結び方はいくつかありますが、今回は一人でも簡単にできる「貝の口結び」を解説します。

帯の結び方:貝の口結び

「貝の口結び」は、男性が浴衣を着る際によく使われるシンプルで粋な結び方です。

  1. 帯を巻く
  • 帯の中央部分を体の前に当て、ウエストに一周巻きます。帯の長さが左右均等になるように調整しましょう。
  1. 交差させる
  • 帯の端を背中の中央で交差させ、片方の端(手先)をもう一方の端(垂れ先)の下に通します。この時、交差させた部分がしっかりと固定されるように引き締めます。
  1. 結び目を作る
  • 帯の片方を短く、もう片方を長めに残して、長い方を折り返し「貝の口」を作ります。折り返した部分を結び目に通し、しっかりと引き締めて形を整えます。これで結び目が完成です。
  1. 結び目を背中に回す
  • 結び目が体の正面にある場合は、背中に回してシルエットを整えます。帯の結び目は、背中の中心にくるように位置を調整しましょう。

綺麗に着るポイント

浴衣を美しく着こなすためのコツは、着崩れを防ぎ、シルエットを整えることです。以下のポイントを押さえておくと、着姿が一段と美しくなります。

  1. 襟元を整える
  • 襟元がだらしなくならないように、首の後ろで襟を少し抜いて着るのがコツです。これにより、涼しげで清潔感のある印象になります。
  1. 腰紐と帯をしっかり締める
  • 腰紐と帯はしっかりと固定しないと、歩いているうちに浴衣が崩れてしまいます。特に腰紐はウエストのしっかりした位置で結び、ずれないように調整します。
  1. 背中のシワを伸ばす
  • 腰紐を締めた後、背中の布を引っ張ってシワを伸ばし、体にフィットさせます。これにより、浴衣の背中がピンと張り、綺麗なラインが出ます。
  1. 帯を正しく結ぶ
  • 帯が緩んでしまうと、全体のシルエットが崩れてしまいます。帯を巻く際はしっかりと引き締め、貝の口結びを整えることで、より粋な着姿が完成します。

まとめ

男の浴衣は、一人でも簡単に着付けることができます。基本の「左前」を守り、腰紐や帯をしっかりと締めることが、綺麗に着こなすためのポイントです。また、簡単な帯結び「貝の口結び」を覚えておくと、スムーズに着付けを行えます。夏祭りやイベントで、ぜひこの浴衣の着付けを試してみてください。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。