初めての生け花展覧会に向けて:花材選びの体験記

初めての生け花展覧会に向けて:花材選びの体験記

私は東京に住む30代の会社員で、趣味は国内旅行。好きなものにはお金を惜しまず、自己投資にも積極的です。そんな私が華道を始めて約3年、通っている教室で先生から「生け花展覧会に出展してみない?」とお声掛けいただきました。オンラインとオフライン併用のレッスンに通いながら、少しずつ腕を磨いてきましたが、ついに自分の作品を発表する機会が訪れたのです。

展覧会への初挑戦

生け花展覧会に出展するのは初めてのこと。これまで教室で学んできたことを踏まえて、自分なりの作品を作りたいという気持ちが強くありました。ただ、どのような花材を使って、どんな作品を作りたいかを考えると、少し緊張してしまいます。私は華道を始めてから、日常生活でも花を飾ることが増えましたが、「展示するための作品」を作るのはまったく別の挑戦です。

まず、展覧会に向けた作品のテーマを決めるところからスタートしました。私が今回選んだテーマは「旅」。旅行が趣味の私にとって、旅は心のリフレッシュとインスピレーションの源です。日本各地で見た風景や自然の美しさを、花を通して表現したいと思い、このテーマにしました。次に華道の型「生花」「立花」「自由花」をどれにするかも決めます。

花材選びのプロセス

テーマが決まったところで、次は花材選び。作品のイメージがぼんやりと頭に浮かびますが、具体的にどの花を使うか決めるのは難しい部分でした。私が通っている華道教室では、オンラインレッスンも利用できるため、教室に行けないときにはオンラインで先生にアドバイスをいただくことができ、とても助かっています。今回は展覧会という特別な機会なので、先生と直接お話ししながら花材選びをしたいと思い、対面のレッスンに出向きました。

教室で先生に相談しながら、私が選んだ花材は次の通りです:

  • 枝もの:旅先で出会う山や森の自然を表現するために、枝ものは欠かせません。今回は季節感を取り入れた紅葉した枝を選びました。自然のダイナミックさを演出したいと思っています。
  • ユリ:ユリの持つ凛とした美しさは、私が旅で感じる「静寂」を象徴しています。特に白いユリは、清らかさと気高さを表現したいと思い選びました。
  • 野草:旅先で見かける野草や道端の草花も、私の作品に欠かせません。今回、自然な風合いを出すために、秋の風情を感じられる野草を取り入れることにしました。

先生からも「あなたらしいテーマで素敵だね」との言葉をいただき、自信が湧いてきました。

花材の購入体験

いざ花材を揃えるため、休日を利用してお気に入りの花卉市場へ足を運びました。普段はオンラインで注文することもありますが、今回のように重要な作品作りの際には、自分の目で見て選びたくなるものです。市場の雰囲気はいつもながら活気があり、色とりどりの花々に囲まれていると、自然と気分が高揚します。

特に、紅葉した枝ものを選ぶのは楽しい作業でした。さまざまな形や色合いがある中で、私が選んだのは、緑から赤に変わりつつあるグラデーションが美しい枝。これを見た瞬間、「これだ!」と直感的に感じました。

ユリも市場で直接確認しながら、花の開き具合や色の鮮やかさをチェック。市場のスタッフさんにも相談しながら、元気で美しいものを選ぶことができました。野草についても、季節感を感じる秋の花を探し、旅先で見かけた風景を再現できるように工夫しました。

自分の感性を信じて

花材を購入し、自宅に戻ると、いよいよ作品作りに向けての準備が整いました。花を扱いながら、先生のアドバイスやこれまで学んできたことが自然と思い出されます。しかし、今回は自分の感性をより大切にしたいと思いました。華道を学び始めた頃は、どうしても「正解」を探してしまいがちでしたが、3年続けている今は、自分の感覚やインスピレーションに従って生けることの楽しさを感じています。

「旅」をテーマにした作品がどのように完成するのか、自分でもまだ予想がつきませんが、それがまた楽しみでもあります。購入した花材を手に取るたびに、その花が持つ物語や、私が見てきた旅先の風景が蘇ってくるような気がしました。]

ちなみに初心者でも綺麗に花を生けたい!と言う方は下記の記事も合わせてご覧ください。

展覧会に向けて

展覧会で展示する自分の作品が、どのように評価されるかは分かりません。しかし、3年間の華道の学びを集大成として表現できる機会をいただけたことが、何よりも貴重な経験です。華道を通じて得られる自己成長や美意識の磨き上げは、私のライフスタイルそのものに大きな影響を与えてくれています。これからも、華道を通じて自己投資を続け、自分の感性をさらに磨いていきたいと思います。

まとめ

初めての生け花展覧会に向けた花材選びの体験は、私にとって大きな学びと楽しみをもたらしてくれました。華道を始めて3年、今回の挑戦を通じて、より一層自分の感性に自信を持つことができました。華道を通じて、日々の忙しさの中で心を整え、自分の成長を感じる時間を持てることに感謝しています。これからも、旅行でのインスピレーションや学びを生け花に活かしながら、さらなる成長を目指していきたいと思います。

華道教室に興味を持たれた方はこちらの記事をご覧ください。

投稿者プロフィール

wagashi-writer
wagashi-writer
IT会社でWEBマーケティング担当として勤務するかたわら、いけばな・華道を習う。専門は神社・お寺、日本の行事、和菓子、日本文化全般。
普段はコンテンツ作成を行っていますが、イベントにまれに参加します。