宮城県のおくずかけとは？その歴史と特徴を徹底解説
宮城県には、古くから伝わる郷土料理が数多く存在します。その中でも「おくずかけ」は、特に家庭で親しまれている伝統的な料理の一つです。この料理は、特別な日に作られることが多く、地元の人々にとっては、心温まる家庭の味として知られています。この記事では、「おくずかけ」の歴史や特徴、そしてその魅力について詳しく解説していきます。
※参考…宮城県公式サイト「おくずかけ」 ～ みやぎ仙南の郷土料理 ～
おくずかけの歴史
「おくずかけ」の歴史は古く、宮城県を中心とした東北地方で、主に精進料理として食されてきました。その起源は不明ですが、江戸時代にはすでに庶民の間で広く食べられていたとされています。「おくずかけ」という名前は、「くず」（葛粉）を使って汁をとろみ付けした料理であることに由来しています。
おくずかけは、特にお盆や年末年始など、仏教行事や家族が集まる時に作られることが多い料理です。そのため、家族の団欒や絆を象徴する料理として、今でも多くの家庭で受け継がれています。
※参考…農林水産省「おくずかけ 宮城県」
おくずかけの特徴
おくずかけの最大の特徴は、その独特のとろみです。このとろみは、葛粉を使って汁に付けられたもので、寒い冬には特に体を温めてくれる役割を果たします。また、おくずかけに使われる具材も豊富で、野菜や豆腐、こんにゃくなど、季節によってさまざまな材料が使われます。
基本的な作り方としては、まず、だし汁を用意し、そこに野菜や豆腐などの具材を加えて煮ます。次に、葛粉を水で溶かして汁に加え、全体にとろみが付くまで加熱します。これにより、汁全体がまろやかで濃厚な味わいとなり、具材一つ一つの風味が引き立ちます。
おくずかけに使われる具材
おくずかけに使われる具材は、家庭や地域によって異なりますが、基本的には以下のような材料が使われます。
- 大根: 冬の寒さで甘みが増した大根は、おくずかけには欠かせない具材です。
- にんじん: 彩りを添えるためにも、甘みのあるにんじんがよく使われます。
- ごぼう: 土の香りがするごぼうは、独特の風味がアクセントとなります。
- こんにゃく: 歯ごたえのあるこんにゃくが、食感に変化を与えてくれます。
- 豆腐: 豆腐は、全体に優しい味わいを加えます。
- 里芋: ねっとりとした里芋が、おくずかけのとろみとよく合います。
これらの具材は、それぞれの風味が溶け合い、おくずかけ全体に豊かな味わいをもたらします。また、季節ごとの旬の野菜を使うことで、四季折々の味を楽しむことができるのも魅力です。
おくずかけの味わい方
おくずかけは、家庭ごとに味付けや具材が異なるため、同じ料理でも多様なバリエーションがあります。一般的には、醤油や味噌で味付けされますが、地域によっては、塩ベースであっさりと仕上げることもあります。
また、おくずかけは、そのままおかずとして食べるだけでなく、ご飯にかけて丼のようにして食べることもあります。濃厚なとろみと具材の風味がご飯とよく合い、一度食べると病みつきになる美味しさです。
さらに、寒い季節には、おくずかけにうどんやそばを加えて、おくずかけうどんやおくずかけそばとして楽しむのもおすすめです。これにより、食べ応えが増し、体が一層温まります。
おくずかけの作り方
おくずかけの作り方はシンプルで、家庭でも簡単に作ることができます。以下に基本的なレシピを紹介します。
材料
- 大根: 1/2本
- にんじん: 1本
- ごぼう: 1本
- こんにゃく: 1枚
- 豆腐: 1丁
- 里芋: 4～5個
- だし汁: 4カップ
- 葛粉: 大さじ3
- 醤油: 大さじ2
- 味噌: 大さじ2
作り方
- まず、だし汁を鍋に入れ、火にかけます。
- 野菜を食べやすい大きさに切り、鍋に加えて煮ます。
- 具材が柔らかくなったら、葛粉を水で溶いて鍋に加え、とろみが付くまで煮ます。
- 醤油や味噌で味を整え、器に盛り付けて完成です。
このように、おくずかけは手軽に作れる料理でありながら、豊かな風味と食べ応えを楽しむことができる一品です。
おくずかけを楽しめるおすすめの場所
宮城県内には、おくずかけを提供する飲食店も多くあります。地元の食材を使った本格的なおくずかけを味わうことができるお店をいくつかご紹介します。
1. 大河原町の「ごっつぉうさん」
〇〇亭は、宮城の郷土料理を提供するお店として知られています。特に寒い季節には、おくずかけがメニューに登場し、多くの地元民や観光客が訪れます。
- 所在地〒989-1201宮城県柴田郡大河原町大谷字末広43
- TEL0224-86-5411
- 営業時間【お弁当・お惣菜販売】11:00～19:00【お食事処】ランチ 12:00～14:00【喫茶室】11:30～15:00（平日）【ご宴会】17:00～22:00（予約制）
- 定休日木曜日・日曜日・祝日(変更になることもあります。)※喫茶室は土・日曜日・祝日
2. 仙台市の「郷土料理みやぎ乃」
仙台にある「郷土料理みやぎ乃」では、エスパル仙台地下の居酒屋で、宮城の郷土料理おくずかけうーめんが食べれます。
まとめ
宮城県の「おくずかけ」は、地域の人々に古くから愛され続けてきた伝統的な郷土料理です。その歴史と特徴、そしてバリエーション豊かな味わい方を知ることで、さらにその魅力を感じることができるでしょう。宮城を訪れる際には、ぜひ一度、本場のおくずかけを味わってみてください。
投稿者プロフィール
- 煎茶講師/日本文化PRマーケター
-
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
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