黄檗宗の精進料理「普茶料理」を食べて楽しもう!特徴、読み方、メニュー、精進料理との違い、宇治で食べるお店など紹介!

普茶料理とは?

普茶料理(ふちゃりょうり)は、黄檗宗の開祖である隠元禅師が中国から日本に伝えた精進料理です。「普茶」とは「普く(あまねく)大衆と茶を供にする」という意味があります。中国文化の香りが漂う料理で、日本の山野に生まれた自然の産物を用いて調理されます。席に上下の隔たりなく一卓に四人が座り、和気藹藹と料理を残さず食するのが普茶の作法です。

五観の偈(ごかんのげ)

禅宗では、食事をいただく前に「五観の偈」という偈文を唱えます。これは食事を修行の一環として捉える禅宗の教えに基づくものです。五観の偈は以下の通りです:

  1. この食事が多くの人々や生命に支えられていることに感謝します。
  2. 自らの行いを反省し、食事をいただきます。
  3. 食事の量や内容にかかわらず、正しい心で残さずいただきます。
  4. 食事は身と心の健康を保つための、一番の薬です。
  5. 自分の仏道修行、目標、責務を成し遂げるための食事です。

メニューと特徴

普茶料理は多様なメニューが特徴で、料理の見た目も美しいです。以下は代表的なメニューです:

  • 笋羹(シュンカン):旬の野菜や乾物の煮物を大皿に盛り合わせた一皿。
  • もどき:精進の食材を使って鰻の蒲焼やカマボコに見立てた料理。
  • 麻腐(マフ):ごま豆腐の元祖ともいわれる逸品。
  • 寿免(スメ):澄まし汁で、具に唐揚げが入っている珍しい一品。
  • 浸菜(シンツァイ):淡味の一皿で、季節感のある食材を使用。
  • 雲片(ウンペン):野菜の切れ端などを葛でとじた料理。
  • 油茲(ユジ):素材や衣に味をつけた唐揚げのような料理。
  • 水果(スイゴ):料理の最後に提供されるデザート。

普茶料理の特徴と精進料理との違い

普茶料理は、黄檗宗の寺院で提供される中国風の精進料理です。炒め物や揚げ物など、中国の調理法や味付けが多く取り入れられています。特徴的なのは「もどき料理」で、動物性の食材を使用せず、豆腐や麩、野菜などで鰻の蒲焼やかまぼこなどに見立てた料理が提供されます。普茶料理は平等に食事を楽しむという仏教の教えに基づき、楽しく食卓を囲むことを重視しています。

萬福寺で楽しむ普茶料理

萬福寺では、普茶料理を実際に楽しむことができます。普茶料理を楽しむには予約が必要ですが、その美味しさと独特の風味を堪能することができます。以下は萬福寺で提供されている普茶料理の一部です:

  • 笋羹(シュンカン):旬の野菜や乾物の煮物を大皿に盛り合わせた一皿で、普茶料理の華ともいえます。
  • もどき:精進の食材を使って鰻の蒲焼やカマボコに見立てた料理。
  • 麻腐(マフ):ごま豆腐の元祖ともいわれる逸品。
  • 寿免(スメ):澄まし汁で、具に唐揚げが入っている珍しい一品。
  • 浸菜(シンツァイ):淡味の一皿で、季節感のある食材を使用。
  • 雲片(ウンペン):野菜の切れ端などを葛でとじた料理。
  • 油茲(ユジ):素材や衣に味をつけた唐揚げのような料理。
  • 水果(スイゴ):料理の最後に提供されるデザート。

萬福寺では、特別コースや普茶御膳など、多彩なメニューが用意されています。以下は一部のコースの例です:

  • 特別普茶御膳「あおい」:11,000円(税込)
    • 伝統的な普茶料理を多彩な器にあしらった特別なコース。
  • 特別普茶御膳:9,900円(税込)
    • 「あおい」と同等の料理を楽しむことができるコース。
  • 特別普茶料理:6,600円(税込)
    • 黄檗伝統の”皿盛り”料理。
  • 普茶弁当:3,300円(税込)
    • 普茶の代表的な一品料理を松花堂風のお弁当に詰め込んだもの。

萬福寺の基本情報

所在地:〒611-0011 京都府宇治市五ケ庄三番割34

電話番号:0774323900

宇治で普茶料理を楽しむお店

黄檗普茶料理 白雲庵(はくうんあん)

宇治茶の発祥地、黄檗山萬福寺門前に佇む白雲庵は、普茶料理の老舗です。ここでは、二汁六菜を基本とし、胡麻豆腐や雲片、笋羹、天婦羅など、風味豊かで見た目も華やかな料理を楽しむことができます。お一人様から楽しめるほか、ご慶事や仏事にも利用できます。

  • 住所:京都府宇治市五ヶ庄西浦30
  • アクセス:JR奈良線、京阪宇治線ともに黄檗駅下車、徒歩5分
  • 営業時間:月・火・金・土・日 11:00 – 16:00(L.O. 14:00)
  • 定休日:水・木
  • 予算:¥5,000~¥5,999
  • 予約:完全予約制
  • TEL:0774-32-0700

まとめ

黄檗宗の普茶料理は、隠元禅師が日本にもたらした中国風の精進料理です。その特徴的な調理法や味付け、そして「もどき料理」によって、多くの人々に親しまれています。宇治の萬福寺や白雲庵で普茶料理を楽しむことで、仏教の教えに基づいた伝統的な食文化を体験することができます。ぜひ訪れて、その魅力を堪能してください。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。