華道(いけばな)発祥の地、池坊「六角堂」訪問記

華道発祥の地「六角堂」訪問記

京都の中心に位置し、華道・生け花発祥の地として知られる六角堂。正式名称は「紫雲山 頂法寺」ですが、本堂が六角形であることから、親しみを込めて六角堂と呼ばれています。 今回は、そんな由緒ある六角堂の魅力をお伝えします。

華道の歴史でもある池坊の由来・語源とは

池のほとりにあるお堂(六角堂)で、住坊が作られ、そこにお坊さんが住んでいました。そこのお坊さんがだいだい生け花が上手かった、それが池坊の由来・語源だといわれています。その六角堂の僧侶は、代々うつくしい花をいける名手で、そこで今の池坊いけばなの哲学がうまれ、華道の根源となりました。

華道発祥の地「六角堂」へ行ってみた!

華道発祥の地「六角堂」は、京都市中京区烏丸通り六角、通りの名前にもなっているこの地にあります。京都のビル群が並ぶ四条烏丸の中心地にあるこのお寺は、スーツを着たサラリーマンだったり、観光でいらっしゃのだろうという方だったり、いろんな人があつまってきます。
アクセスも良く、烏丸駅から徒歩5分ほどで到着します。

華道生け花の発祥地である池坊「六角堂」
華道発祥の地「六角堂」

聖徳太子ゆかりの古刹

六角堂は、587年に聖徳太子によって建立されたと伝えられる、歴史深いお寺です。 太子が物部氏との戦勝祈願のために、この地に六角形の御堂を建て、自ら刻んだ如意輪観音像を安置したのが始まりとされています。 以来、多くの人々の信仰を集め、京都の街を見守り続けてきました。

いけばな発祥の地

六角堂は、華道家元・池坊が代々住職を務めていることでも知られています。 平安時代、聖徳太子ゆかりのこのお寺に小野妹子の子孫である初代専慶が入り、仏前に花を供えたことが、現在の「いけばな」の起源になったといわれています。 六角堂を訪れると、境内には季節の花々が美しく生けられ、参拝者の目を楽しませてくれます。

京都の中心を示す「へそ石」

六角堂の山門をくぐり、右前方を見ると、六角形の石の中央に丸い穴が開いているのが目に入ります。これが「へそ石」です。 平安京造営の際、六角堂のあった場所に道路を通すことになり、勅使が堂の移動を祈願したところ、堂は北へ退いたと伝えられています。

本堂東側に平面六角形の平らな石で、旧本堂の礎石と伝えられ、頂法寺が平安京造営以前から存在し、位置もほぼ移動していないことから、この石が京都の中心であるといわれています。

良縁を願う「縁結びの柳」

六角堂は、縁結びのパワースポットとしても知られています。 境内には、聖徳太子お手植えと伝えられる「縁結びの柳」があり、縁結びを願う人々が数多く訪れます。 平安時代、嵯峨天皇が夢のお告げに従ってこの柳を訪れ、後に妃となる女性と出会ったという伝説も残されています。

華道発祥の地・池坊由来の池と聖徳太子沐浴の古跡

六角堂の奥に進むと、聖徳太子が沐浴したといわれる池と太子堂があります。こちらの池には名前が付けられてないようで、そのまま池とみんな呼んでいます。
さすがに1000年以上この地にあると、いろんな人が、いろんな世代ごとに、呼び名を変えたりしたのでしょう。あえて名前を付けないところに、歴史を感じます。

生け花発祥の地・六角堂の華道モニュメント

華道家元池坊の立花モニュメントが、六角堂境内にあります。これぞ華道発祥の地の真骨頂「立花」のモニュメントです。

この見れば見るほど美しく見えるバランス感覚や配置は、一体どうやって説明すればいいでしょうか。

とりあえず言えることは「美しい」その一言です。昔の人の美的センスというのは凄まじかったんですね。

六角堂の基本情報

六角堂の基本情報はこちらです。

  • 住所:〒604-8134 京都府京都市中京区堂之前町248
  • 問い合わせ:075-221-2686
  • 拝観時間:6時~17時
  • アクセス:地下鉄「烏丸御池駅」「烏丸駅」から烏丸通りを北に進み徒歩8分ほど、六角通沿いにあります。

まとめ

六角堂は、1400年以上の歴史を持つ古刹でありながら、いけばな発祥の地として、また縁結びのパワースポットとしても、多くの人々に親しまれています。京都の中心に位置し、アクセスも抜群なので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶道講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。