オシャレな床の間飾り置物の種類や選び方、アイディアを紹介

床の間は、日本の伝統的な建築空間の一部であり、主に和室に設けられます。床の間は、掛け軸や生け花、季節を感じさせる飾り物などを置く場所として、家の中でも特別な役割を果たしています。この場所に飾られる床の間飾り置物は、和の趣を感じさせるだけでなく、その空間に美しさや季節感、心の安らぎをもたらす重要なアイテムです。

床の間の歴史とその役割

床の間の起源は室町時代にさかのぼります。床の間は、もともとは武士の家において、主人が座るための特別な場所として設けられました。その後、茶道の影響を受け、床の間は単なる座る場所から、精神的な豊かさを表現するための装飾空間へと変化しました。掛け軸や花を飾ることで、四季の移ろいやその時々の心の在り方を表現する場となったのです。

今日では、床の間は和室の中でも最も格式の高い場所とされ、来客をもてなすための装飾スペースとしても重要な役割を果たしています。床の間に飾られるものは、家主の趣味や価値観を反映し、またその家の格式を示すものでもあります。

床の間飾り置物の種類

床の間飾り置物にはさまざまな種類があります。これらの置物は、空間に彩りを添え、その場を訪れる人々に対して心地よい印象を与えます。以下は、代表的な床の間飾り置物のいくつかです。

  1. 香炉(こうろ)
    香炉は、香を焚いて香りを楽しむための道具であり、床の間に置かれることが多いです。香炉の美しい形や素材は、その場に上品な香りとともに静かな趣を与えます。特に茶道の世界では、香炉は重要な役割を果たし、床の間に飾ることで空間全体に神聖さをもたらします。
  2. 花瓶(かびん)
    花瓶は、生け花を飾るための器として使われます。季節ごとの花を生けることで、床の間に季節感を取り入れることができます。花瓶のデザインや素材も、伝統的な和の趣を引き立てる重要な要素となります。例えば、陶器や磁器、金属製の花瓶などがあり、どの素材を選ぶかによっても空間の印象が変わります。
  3. 掛け軸(かけじく)
    掛け軸は、床の間の中心に飾られることが多い装飾品です。掛け軸には書画や絵画が描かれており、その時々のテーマや季節感を表現します。掛け軸の選び方は、その時期の行事や家主の心情、また来客の目的に合わせて決定されます。掛け軸とともに飾られる置物は、掛け軸のテーマと調和するものが好まれます。
  4. 屏風(びょうぶ)
    屏風は、部屋を仕切るための道具ですが、床の間に飾ることでその場に華やかさを加えます。特に、金屏風や絵屏風などは格式高い場で使用され、豪華さや格調の高さを演出します。屏風の絵柄やデザインも、床の間のテーマに合わせて選ぶと良いでしょう。
  5. 陶器や磁器の置物
    陶器や磁器の置物は、床の間に個性や趣を加えるアイテムとして人気があります。これらの置物は、伝統工芸品としての価値もあり、時にはその家の家宝となることもあります。代表的なものとしては、人形や動物の形をしたもの、あるいは抽象的なデザインのものがあります。

床の間飾りの季節感とテーマ

床の間飾り置物を選ぶ際には、季節感やテーマを意識することが重要です。日本には四季があり、それぞれの季節ごとに適した装飾があります。例えば、春には桜や梅をテーマにした置物が、夏には涼しさを感じさせるガラスや竹の置物が好まれます。秋には紅葉や菊を、冬には雪景色や松などがテーマとなることが多いです。

また、掛け軸や花瓶に飾る花も、季節に合わせて選ぶことで床の間全体の統一感を持たせることができます。これにより、訪れる人々に四季の移ろいを感じさせ、その季節特有の風情を楽しんでもらうことができます。

床の間飾り置物の選び方

床の間飾り置物を選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮することが大切です。以下に、選び方のポイントを紹介します。

  1. テーマの統一
    床の間全体のテーマを統一することが重要です。掛け軸、花瓶、香炉、置物などのアイテムが調和することで、床の間全体が一つの作品として完成します。テーマを決め、それに合わせた置物を選ぶことで、空間に一貫性とバランスをもたらします。
  2. 季節感を取り入れる
    先述したように、季節感を意識して置物を選ぶことで、床の間に季節の風情を取り入れることができます。季節ごとに飾るアイテムを変えることで、その時々の風物詩を感じることができ、訪れる人々にも新鮮な印象を与えます。
  3. 素材と色彩の調和
    置物の素材や色彩も、床の間の雰囲気に大きな影響を与えます。例えば、木製の家具が多い和室には、陶器や磁器の置物がよく合います。また、色彩に関しても、床の間全体の色調に合わせたものを選ぶと、空間全体に統一感が生まれます。
  4. 伝統と現代のバランス
    伝統的な置物にこだわる一方で、現代的なデザインの置物を取り入れることで、新しい感覚の床の間を作り上げることもできます。伝統と現代のバランスを考慮して選ぶことで、床の間の装飾がより個性的で魅力的なものになります。

まとめ

床の間飾り置物は、和室の中でも特に格式が高く、精神的な豊かさを表現するための重要な要素です。掛け軸、花瓶、香炉、屏風、陶器や磁器の置物など、さまざまなアイテムを使って、空間に彩りと季節感を加えることができます。置物を選ぶ際には、テーマの統一や季節感の取り入れ、素材や色彩の調和を意識することで、床の間全体が一つの芸術作品として完成します。また、伝統的な置物に現代的な要素を加えることで、新しい感覚の床の間を作り上げることも可能です。

床の間飾り置物は、家の中に日本の伝統文化を取り入れ、心地よい空間を作り出すための重要なアイテムです。訪れる人々に安らぎと感動を与えるために、ぜひ床の間飾りを工夫してみてください。

投稿者プロフィール

東叡庵
東叡庵煎茶講師/日本文化PRマーケター
宮城県出身。
仙台の大学卒業後、500年の歴史を誇る老舗和菓子屋に入社。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学び、日本文化への造詣を深める。和菓子屋での経験を活かし、その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングとPRマーケティングに従事。現在はフリーランスの茶人として活動しながら、日本文化のPRサポートや「みんなの日本茶サロン」を主宰。伝統と現代を結びつける活動を通じて、日本文化の魅力を広めている。みんなの日本茶サロン編集長。
その他

前の記事

書道の段位とは?
その他

次の記事

智慧とは?